「旅立ちの美術」静嘉堂文庫美術館

「旅立ちの美術」静嘉堂文庫美術館

名称:「旅立ちの美術」静嘉堂文庫美術館
会期:2021年4月10日(土曜日)- 6月6日(日)
開館時間:午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館し翌火曜日休館)。
入館料:一般1000円(800円)、大高生700円(500円)
  障害者手帳提示の方および同伴者1名700円(500円)
  中学生以下無料
  ※(  )は20名以上の団体割引料金
住所:〒157-0076東京都世田谷区岡本2-23-1
TEL:03-5777-8600
URL:静嘉堂文庫美術館
 旅立ち―それは別れとともに新たな出会いを予感させます。日本の春は、卒業・入学、退職・就職と、多くの別れと出会いが繰り返されます。古来、日本・東洋においては、そうした節目に詩歌や書画を贈り、はなむけとしました。
禅の世界では弟子や友へ、悟りの道を示す言葉や仏法の真理を詩文の形で表した墨蹟などが書き与えられました。また漢詩の世界では送別がひとつの大きなテーマです。日本でも広く知られる中国・唐時代の詩人、王維や李白の送別詩に詠われる、青々とした柳や岸辺を離れていく船は別れの象徴となり、それらは絵画に描き込まれ送別の図として贈られました。
 こうした旅立ちのイメージは物語の中にもさまざまに残されています。「昔男」を主人公とする『伊勢物語』には「東下り」の話が、『西行物語』では西行が「数寄の遁世」を求め武士の身分も家族も捨てて出家し、歌枕を訪ねて諸国をめぐります。また物語のイメージは、旅を現実だけでなく異界へも導きます。仏教や道教の説話では冥府や地獄をめぐったのち、よみがえるストーリーがしばしばみられます。芸術によって、人はイメージの世界を旅し、多くの文学・美術作品を通じて、異界の見ぬ世の友のもとへ旅してきたのです。

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