「ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて」東京都庭園美術館
名称:「ルネ・ラリック リミックスー時代のインスピレーションをもとめて」東京都庭園美術館
開催期間: 2021年6月26日(土)–9月5日(日)
開館時間:10:00–18:00 *入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日 *ただし7月26日、8月2・9・30日は開館、8月10日(火)は休館
会場:東京都庭園美術館 本館+新館
入館料:一般=1,400(1,120)円/大学生(専修・各種専門学校含む)=1,120(890)円/ 中・高校生=700(560)円/65歳以上=700(560)円
※( )内は20名以上の団体料金
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
年間協賛:戸田建設株式会社、ブルームバーグL.P.
住所:〒108-0071東京都港区白金台5-21-9
TEL:03-5777-8600
URL:東京都庭園美術館
19世紀末から20世紀半ばにかけて、ジュエリー作家/ガラス工芸家という肩書を超えて、生涯を通して芸術家としての独自の道を切り拓いたルネ・ラリック(1860-1945)には、尽きることのないインスピレーションがありました。
とりわけフランス、シャンパーニュ地方の小さな村アイに生まれたラリックにとって、幼少期から身近な存在だった「自然」は、その多様なインスピレーションの根源ともいえるでしょう。自然を注意深く観察することによって培われた眼差しは、やがてイギリスでの経験や日本美術からの影響、大戦間期における古代ギリシア・ローマへの回帰やエキゾティックな嗜好、新しい女性たちのイメージなど、20世紀初頭のフランスに起ったさまざまに異なる芸術潮流と結びつきながら磨かれていきました。例えば浮世絵にインスピレーションを得て、パリ郊外の自邸付近で撮影した雪景色を表現したペンダントや、1909年に他界した妻アリスの面影をシダのなかに刻印した香水瓶。同時代の世界と日常身辺の心躍る事象や個人的な記憶に、鋭い観察眼と想像力によって新しいかたちを与え、「装飾品」として人々の身近なものにしたのです。
希少なジュエリーからより多くの人々のためのガラス作品への転換は、急速に変化する社会のなかで芸術と生活がどのような関係を結ぶことができるのかを示そうとするものでした。生きることとつくること―ルネ・ラリックが、自然を起点としてどのように世界を観照し、装飾という芸術を希求したのかを明らかにします。
ルネ・ラリック René Lalique 1860-1945
シャンパーニュ地方マルヌ県アイ生まれ。素材の価値よりも作品の造形性を重視し、これまであまり使われてこなかった獣角、オパール、七宝、ガラスなどを積極的に用いて、植物や昆虫、女性、あるいはそれらのモティーフが融合した象徴的なジュエリーを作り出した。「モダン・ジュエリー」のスタイルを確立し一世を風靡した。
1910年前後からガラス作品の制作に注力しはじめる。芸術性が高く、なおかつ量産にも応えることのできるプレス成形や型吹き成形で、香水瓶などの小品からモニュメンタルな建築用の大作までを手がけた。1925年のアール・デコ博覧会場のメイン会場にガラスの噴水塔《フランスの水源》を制作。その傍らには自社のパヴィリオンを出展するなど、アール・デコの時代を代表するガラス工芸家としての絶対的な評価を築いた。
朝香宮邸のために正面玄関ガラスレリーフ扉をデザイン。大客室と大食堂のシャンデリアとしてそれぞれ《ブカレスト》《パイナップルとざくろ》を提供している。
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