「どこか遠くへ:グラフィックにみる旅のかたち」CCGA現代グラフィックアートセンター

「どこか遠くへ:グラフィックにみる旅のかたち」CCGA現代グラフィックアートセンター

名称:「どこか遠くへ:グラフィックにみる旅のかたち」CCGA現代グラフィックアートセンター
日時:2021/10/22 (金)~2021/11/28 (日)
開館時間:午前10時―午後5時(入館は午後4時45分まで)
休館日:月曜日(8月9日を除く)、8月10日(火)
  ※会期前6月7日(月)—6月11日(金)、会期後9月6日(月)―10日(金)は展示替え休館
入館料:一般=300円/学生=200円
  小学生以下と65才以上、および障がい者手帳をお持ちの方は無料
主催:公益財団法人DNP文化振興財団/CCGA現代グラフィックアートセンター
住所:〒962-0711福島県須賀川市塩田宮田1
TEL:0248-79-4811
URL:CCGA現代グラフィックアートセンタ

人はなぜ旅にでるのでしょうか。この根源的な問いに答えることは容易ではなく、人々の生活が多様化した現在ではなおさら、その目的はそれぞれに異なるでしょう。人類にはもともと移動への欲求が備わっているのだとする説もあります。猿人として進化して以来、地球上で移動を繰り返してきた人類は、「移動すること」こそがその特徴だとし、ホモ・モビリタス(移動するヒト)と呼ぶ人類学者もいるほどです。

それらの移動は、古くは生活場所を求めたり、信仰心に基づくものであったりなど、必要に迫られたものでした。しかし現代においては定住が基本であり、一部の人を除いて必ずしも移動は必要ではありません。しかしそれでも旅に出る人、出たいと思う人が後を絶たないのは、日常生活から離れ、異なる文化や自然に触れ、新しい体験をするなどの非日常への普遍的な欲求があるからではないでしょうか。逆に、旅に出たことにより元居た場所の価値を再認識する機会も多いでしょう。つまり、旅とは帰るべき場所や生活があることが前提で、一時的にそこから離れた体験をそう呼ぶのだともいえます。

感染症のパンデミックによる影響が続く現在は、遠方への旅行はいうまでもなく、移動すら自由にはできない、楽しめない状況が続いています。旅行をただ楽しむことは難しくなり、不安なもの、避けるべきものであるという印象を伴うようになりました。しかし、遠い地や未知なるものへのあこがれ好奇心がなくなったわけではなく、人々が根源的に持ち続ける意識といえるでしょう。

本展では、CCGA収蔵のDNPグラフィックデザイン・アーカイブコレクションのポスターの中から、広い意味での旅に関する作品を選び展示します。旅には移動手段や目的地、旅先での体験など多くの要素が含まれます。広告市場において交通や観光誘致などに関するものは多く、それらはポスターが少なくなった現在でもなお広く目にすることができます。また、直接的には旅に関係していなくても、海外などの美しい風景の写真を用いた広告も多く制作されています。それらは遠い未訪問の地へのあこがれを効果的に広告表現に取り入れており、今なお記憶に残る表現も多く生まれています。グラフィックデザインであらわされた旅に関する表現を見て、人々の尽きせぬ移動の欲求に触れることにより、非日常へのひとときの小さな「旅」の体験となれば幸いです。

出品作家
浅葉克己|粟津潔|石岡瑛子|井上嗣也|榎本了壱|大貫卓也|奥村靫正|葛西薫|勝井三雄|亀倉雄策|
河村要助|鬼澤邦|小島良平|佐藤可士和|佐藤晃一|佐野研二郎|杉浦康平|鈴木八朗|副田高行|
タイクーングラフィックス|田名網敬一|田中一光|戸田正寿|永井一正|仲條正義|中村誠|野田凪|
服部一成|日比野克彦|細谷巌|増田正|松井圭三|松永真|宮田識(DRAFT)|森本千絵|山口はるみ|
横尾忠則
ジークフリート・オーデルマット|ガヴィレ&ラスト|ヘンリク・トマシェフスキ|ドン・キングマン|
カリ・ピッポ|ジャン・ミシェル・フォロン|オルガー・マチス|ルーバ・ルコーバ ほか(50音順)

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