名称:「生誕110年 香月泰男展」宮城県美術館
会期:2021年7月3日(土曜日)~9月5日(日曜日)
休館:月曜日(8月9日は開館)、8月10日(火曜日)
住所:〒980-0861 宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1
Tel:022-221-2111
URL:宮城県美術館
山口県三隅村(現・長門市)に生まれた香月泰男(1911-1974)は、東京美術学校で学び、国画会から画壇に出ました。澄んだ色彩と独特の叙情性をもつ絵画が注目され始めた矢先、召集を受けて満州へ従軍します。敗戦後にシベリア抑留に遭った香月は、多くの戦友を失った過酷な環境を生き延び、1947年に復員しました。
復員後の香月は、故郷を離れることなく、戦争と抑留の体験を元にした「シベリア・シリーズ」に取り組み、亡くなるまでに57点を描き上げました。黒と黄褐色の重厚な画面に刻まれた、極限状態の苦痛、鎮魂と望郷の思い、厳しくも鮮烈な自然の美しさは、今なお深い衝撃と感動をもたらしてやみません。
本展覧会は、東北に「シベリア・シリーズ」全点が揃う初めての機会となります。香月の体験順に沿って紹介されるのが一般的ですが、実は制作の順序は全く異なります。今回は物語を解体し、他の作品と併せて制作順に展覧することで、シリーズの位置づけを再検証します。また、詩情豊かな初期作品や、身近なモティーフを愛情込めて描いた作品など、「シベリアの画家」に留まらない香月の多彩な魅力を紹介し、その造形とメッセージの本質に迫ります。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。