名称:「中嶋 浩子 CONTINUUM|この世界を構成するもの」ポーラ美術館
会期:2021年9月18日(土)~2022年3月30日(水)
場所:アトリウム ギャラリー
住所:〒250-0631神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
TEL:0460-84-2111
URL:ポーラ美術館
ポーラ美術館は、開館15周年にあたる2017年に、現代美術作家の活動を紹介する「アトリウム ギャラリー」を新設し、芸術表現と美術館の可能性を「ひらく」という趣旨の展示「HIRAKU PROJECT」にて、公益財団法人ポーラ美術振興財団の助成を受けた作家を紹介しています。
第12回目となる今回は、この世界を独自に解釈し、幾何学的連続模様(パターンデザイン)を用いて空間を再構成して表現するアーティスト、中嶋浩子をご紹介します。
中嶋浩子は、これまで幾何学的連続模様(パターンデザイン)を制作してきました。連続的な自然現象や何らかの条件下で起こる事象を、数学的公理や概念から生まれる人工的な幾何学的形態を用いて再構築し、「CONTINUUM:連続体」として表現しています。それらのすべてが理論に還元されるわけではなく、幾何学的な厳密さと感覚のリズムを重ねることで、中嶋は独自の新たな視覚表現を創り上げています。
「CONTINUUM | この世界を構成するもの」という今回の展覧会のタイトルは、中嶋自身が幼少期から漠然と抱いてきた、「この世界を構成しているものとはなんだろう?」という問いに由来します。そしてこの問いを制作のコンセプトとしてきた中嶋は、「見えないけれど、確かに在る連続する世界(空間)」を証明するものの一つとして、数学の空間充填曲線を空間に展開した作品にたどり着きました。
本展では、開放的な展示空間の全体を線の連続からなる模様で充填し、規則的かつ感覚的に構成された「連続する形」を、新作インスタレーションとして発表します。線の模様に加えて、この展示空間の所々には、形、色、線などによって表現された連続体の一部をクローズアップした平面作品と立体作品が、別の次元を行き来しながら連続を構成するための要素(ピース)として挿入されます。この世界を独自に解釈し、空間として再構成する中嶋浩子の作品を体験してください。
作家プロフィール
中嶋 浩子(なかじま ひろこ)
東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科テキスタイルデザイン専攻卒業。幾何学的形態や文字をシンボル化し、「連続する形(模様)」を中心に制作。2014年より公益財団法人ポーラ美術振興財団若手芸術家在外研修員として、ゲッティンゲン大学数理科学研究科(ドイツ)、フィンランド自然史博物館(フィンランド)にて研修。以降、公益財団法人野村財団在外研修員(美術)での研究滞在を経て、東京を拠点に活動を展開している。国内外での展示、テキスタイルデザインシリーズ、 日本語オノマトペを図形化し連続模様にした〈ONOMATOPÉE〉 、建築家とのプロジェクト「建築現場をオノマトペで覆う |Cover the construction wall with the onomatopoeia patterns」等を通じ、アート、デザイン、建築など、領域を横断して「連続する世界」をテーマとしている。ドイツでの数学研修において、「見えない部分を構成するもの」を概念数学の世界に見たことで、近年では、模様の工学的研究の他、様々なメディウムでの作品制作に取り組み独自の世界を展開している。
https://www.nakajimah.com
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