特別展「難波をうたう-万葉集と考古学-」大阪歴史博物館

特別展「難波をうたう-万葉集と考古学-」大阪歴史博物館

名称:特別展「難波をうたう-万葉集と考古学-」大阪歴史博物館
会期:2021年10月2日(土)~ 12月5日(日)
休館日:火曜日休館
  ※ただし、11月23日(火・祝)は開館、翌24日(水)は休館
開館時間:午前9時30分から午後5時まで(会期中の金曜日は午後8時まで)
  ※ただし、入館は閉館の30分前まで
会場:大阪歴史博物館 6階 特別展示室
住所:〒540-0008大阪府大阪市中央区大手前4-1-32
TEL:06-6946-5728
URL:大阪歴史博物館

日本最古の歌集『万葉集』。万葉集は大和(奈良)や東国に次いで難波なにわ(大阪)の歌が多く、難波は万葉人のもう一つのふるさとと言えます。本展では万葉集をひも解きながら、発掘調査で明らかにされた建物跡や祭祀の場、当時の暮らしや儀礼で用いられていた様々な出土品を手がかりにして古代の難波に迫ります。

展示では、日本最古の万葉仮名を記した「はるくさ」木簡(大阪市難波宮跡出土)のほか、万葉歌が墨書された木簡(レプリカ)を、万葉集の古写本と共に紹介します。そして藤原宇合うまかい によって「昔こそ難波田舎と言はれけめ 今は都引き都びにけり」(昔こそ 難波田舎と言われたろうが 今は都に做ならって すっかり都会らしくなった)と詠まれた奈良時代の難波宮・難波京について、豊富な出土資料をもとにして実像を描き出します。さらに、まじないに使われた人面墨画土器や木製形代かたしろなどを通して、幸さくあれと願った万葉人の多様な祈りに触れてみたいと思います。

考古資料と万葉歌・古代史の出会いによって生み出される古代大阪の新たな世界をご覧ください。

講演会「万葉集・古代史の中の難波」
日  時令和3年10月17日(日)
午後1時30分~4時30分(受付:午後1時~)
演  題[1]「万葉歌にみる呪術と祈り―難波を軸に―」
  井上 さやか 氏(奈良県立万葉文化館 指導研究員)
[2]「疫病と古代難波」
  栄原 永遠男
  (大阪歴史博物館名誉館長、(一財)大阪市文化財協会理事長)
会  場大阪歴史博物館 4階 講堂
定  員100名(要事前申込)
参 加 費1,000円(特別展の観覧券もしくは半券提示の方は無料)
参加方法事前予約制
※詳細は、決まり次第、当館ホームページにてお知らせします。

学芸員によるスライドトーク
日  時令和3年[1]10月8日(金):午後6時から30分程度
[2]10月31日(日):午後2時から30分程度
[3]11月6日(土):午後2時から30分程度
[4]11月28日(日):午後2時から30分程度
講  師杉本 厚典(当館学芸員)
会  場大阪歴史博物館 4階 講堂
定  員各回100名(当日先着順)
参 加 費無料(ただし、特別展の観覧券もしくは半券をお持ちの方のみご参加いただけます)
参加方法直接会場へお越しください
内  容展示資料を投影しながら担当学芸員が資料の紹介をします。
「はるくさ」木簡 (万葉まんよう仮名がな文ぶん木簡)  大阪市指定文化財 飛鳥時代(7世紀中頃)難波宮跡(大阪市中央区) 大阪市教育委員会蔵・大阪市文化財協会保管
「はるくさ」木簡 (万葉まんよう仮名がな文ぶん木簡) 大阪市指定文化財 飛鳥時代(7世紀中頃)難波宮跡(大阪市中央区) 大阪市教育委員会蔵・大阪市文化財協会保管

【期間中展示替えあり。 レプリカ(10/2~11/8)、実物(11/10~12/5)をそれぞれ展示】(左から:出土品、赤外線写真、実測図、本文)

難波宮造営時の整地層(7世紀中葉)直下の地層から出土した、最古の万葉仮名文木簡であり、かつ最古の歌木簡です。歌の出だし部分にあたり「皮留久佐乃皮斯米之刀斯」(はるくさのはじめの(し)とし)と読むことができます。隷書れいしょの特徴をとどめた楷書かいしょであり、中国南北朝時代(4世紀後葉~6世紀後葉)の書体と似ていることが指摘されています。

『万葉集』にこの歌のはじまりを持つ歌は見られませんが、「春草」の語が登場する歌は5首あり、勢い盛んな様子を示す一方、移ろいやすさをたとえる言葉としても用いられています。

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