名称:企画展「文化財展 ~継承される一品~」葛飾区郷土と天文の博物館
会期:令和3年7月22日(木曜日・祝日)から10月3日(日曜日)
開館時間:午前9時から午後5時まで(祝日を除く金曜日・土曜日も、当面の間 午後5時まで)
休館日:月曜日(祝日は開館)、第2・第4火曜日(祝日は開館し翌日休館)
入館料:大人100円、小・中学生50円、幼児無料(土曜日は中学生以下無料)
観覧料:無料
住所:〒125-0063東京都葛飾区白鳥3-25-1
TEL:03-3838-1101
URL:葛飾区郷土と天文の博物館
これまでの企画展示や特別展示において公開されることが少なかった館蔵の文化財を中心に展示します。併せて区内最大の文化財保有者である東四つ木の浄光寺じょうこうじ(木下川きねがわ薬師)の文化財と所蔵資料も展示します。
葛飾区の先人のみならず、現在も貴重な資料を守り伝え続けている区民の方との協力で実現した本展の開催は、意義ある機会であり、今回のみどころでもあります。この展示をきっかけとして文化財の魅力を届け、ひとりでも多くの方に文化財に親しんでいただきたいと思います。
Ⅰ 浄光寺の文化財と江戸時代の葛飾
浄光寺の文化財
葛飾区東四つ木の浄光寺は区内有数の古刹です。
江戸時代、徳川将軍家の祈願所となり、徳川吉宗の鷹狩り以来、歴代将軍がたびたび休憩所として利用しました。そのときのもてなしの様子を記した「御成記」が残されています。また、徳川家康の肖像画「絹本着色東照大権現(徳川家康)像一幅」を始めとする数々の徳川家ゆかりの文化財は圧巻です。
浄光寺は、江戸時代以来文人墨客が訪れる東京東郊の行楽地として知られ、明治時代には勝海舟が西郷南洲(隆盛)の碑を建立しています。
江戸時代の葛飾
また、江戸時代の葛飾区域の村の様子を伝える文化財「細谷家文書」「平野家文書」「中茎家文書」などの指定・登録文化財をひもとき、江戸時代の生活互助のありかた、農業の様子、人々が伝えてきた民俗宗教などを見ていきます。
Ⅱ 文化財を伝える
文化財を修復する
現在伝えられている文化財の中には、長い年月を経てきたために一部が劣化したり元の姿がわかりにくくなっているものがあります。それらを調査し、修復して後世に伝えることも文化財を保護する上での大切な仕事です。平成30年度に登録文化財となった板絵着色産育祈願小絵馬の修復作業や、博物館で複製を作成した井戸掘絵額などをご紹介します。
葛飾区の人間国宝
人間国宝とは重要無形文化財を保持する人に対する称号です。葛飾区には染色技法を保持する人間国宝がおられます。清水幸太郎氏(1897-1988)は江戸時代から伝えられてきた浴衣などの染色技法である長板中形の技術保持者として、小宮康助氏(1882-1961)は武家の礼服の裃などを発祥とする「江戸小紋」の技術保持者として、それぞれ昭和30年(1955)に重要無形文化財保持者に認定されました。
このうち江戸小紋の技術は康助氏から子息の小宮 康孝氏(1925-2017)へ、さらに康孝氏の子息である小宮 康正氏(1956-)に受け継がれ、初めて同じ分野で三代続く、国の重要無形文化財の保持者となりました。
Ⅲ 近現代の文化財
「帝釈人車鉄道関係文書」は、明治31年(1898)に金町と柴又の間に敷設された、帝釈人車鉄道に関わる資料です。人車鉄道は、人が動力となって客車を動かすというユニークな鉄道で全国でもめずらしいものでした。今回はこのうち帝釈人車鉄道の開設、運営を物語る資料を展示します。
「葛飾区セルロイド工業発祥記念碑(写真パネル)」は、近現代の葛飾区の代表的な産業であるセルロイド産業にかかわる資料です。「ブリキ玩具ジープ」は、昭和21年(1946)から23年(1948)ころにかけて柴又の工場でブリキを材料に、ジープを模して作られていた玩具です。
また、近年まで区内の建造物の一部として使われていた「龍こて絵」も公開します。
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