名称:「久保亮五生誕百年記念 「原理の学」に魅せられて—物理学者・久保亮五の研究と人生展」東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館
会期:2021年9月18日(土)~11月28日(日)
開館時間:10:00-17:00 (入館は16:30まで)
休館日:毎週火曜日 ただし11月23日(火)は開館
入場料:無料
(駒場博物館ウェブサイトでのオンライン日時指定予約が必要です。)
主催:久保亮五生誕百年記念展実行委員会、東京大学駒場博物館
協力:東大駒場友の会
住所:〒153-8902東京都目黒区駒場3-8-1
TEL:03-5454-6139
URL:東京大学大学院総合文化研究科・教養学部 駒場博物館
久保亮五(1920–95)は、昭和・平成期の日本の物理学を代表する人物の一人です。物性論・統計力学の領域で数々の業績を挙げ、なかでも非平衡現象を解析する基本理論の一つである「線形応答理論」は、久保の名を冠して称されています。母校・東京大学で長く教鞭を執って後進を育成するとともに、学術行政においても日本学術会議会長などの要職を歴任し、日本の学問に大きな足跡を残しました。
華やかに見える久保のキャリアは、しかし、一本道ではありませんでした。中国文学者であった亡き父の影響から文系の学問を好んでいた亮五少年ですが、兄・昌二らの影響から理系の学問に関心を寄せるようになり、「原理の学」を求めて物理学を志すに至ります。東京帝国大学で物性論・統計力学の研究を始めましたが、卒業の月に真珠湾攻撃が勃発、駆け出しの時期を戦争の混沌のなかで過ごすこととなります。終戦後は、荒廃のなかで書いた『ゴム弾性』を皮切りに独創的な研究活動を展開し、米国留学を経て、国際的な舞台で活躍を始めます。評価が高まるにつれ学術行政に大きな力を割くこととなりましたが、その精力的な研究・教育活動は、やがて、日本の物理学における物性論・統計力学の力強い流れを生み出しました。
本展では、久保の遺した資料群を用いながら、この、日本の物理学の方向に大きな影響を与えた物理学者の生涯をたどります。未発表研究の直筆手稿など貴重資料の展示や、主要業績に関する演示・解説のほか、終生にわたる作画活動の紹介なども交え、久保の研究と人生にさまざまな方向から光を当てます。また、久保のあゆみを通じ、戦期をまたぐ混沌とした時代にあって物理学を志すということ、物理学者になるということの実像に迫ります。
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