名称:「十五代 酒井田 柿右衛門展」福岡三越
会期:2021年10月6日(水) ~ 2021年10月11日(月) [最終日午後5時終了]
場所:9階 「三越ギャラリー」
住所:〒810-8544 福岡市中央区天神2-1-1
TEL:092-724-3111
URL: 福岡三越
有田で磁器が誕生し、初代柿右衛門が日本で初めて赤絵付けに成功して約400年が経ちました。その技と美は脈々と受け継がれ代々の柿右衛門により、美しい赤絵の華を咲かせています。生き生きと描かれた十五代 酒井田 柿右衛門の作品約100点を展覧いたします。
濁手
佐賀地方の方言で米の研ぎ汁のことを「にごし」と言います。「濁手(にごしで)」は米の研ぎ汁のように温かみのある白色の地肌を持つ色絵磁器で、柿右衛門窯独特のものであり、泉山陶石等を使用した特別な原料とその配合、及び独自の製法により作られております。一般的な白磁がやや青味を帯びているのに対し、濁手素地は柔らかい乳白色を呈しており、1650年代頃に、柿右衛門の色絵が一番映える地肌を持つ素地として創り出されました。その後、この素地は改良を加えられ、いわゆる「柿右衛門様式」が確立される頃には、傷や歪みなどの少ない上質のものが作られるようになります。この濁手作品のしっとりとした素地と余白を十分に生かした繊細で華やかな色絵との調和のとれた美しさは、その当時国内はもとより国外においても高く評価され、その作品は1659年頃に本格化するオランダ東インド会社(VOC)の輸出により、広く東アジアやヨーロッパ等に紹介されていきます。しかしこの濁手も貿易の終了と共に江戸中期頃一度途絶えてしまいました。それから長い間濁手は作られておりませんでしたが、酒井田家に伝わる江戸時代の古文書を基に、苦労の末十二代、十三代柿右衛門親子により復元されました。1971年にはその製陶技術が認められ国の重要無形文化財の総合指定を受けております。
1968年 佐賀県有田町に生まれる
1991年 多摩美術大学絵画学科中退
1994年 十四代酒井田柿右衛門に師事
2010年 第四十五回西部伝統工芸展にて初入選
第五十七回日本伝統工芸展にて初入選
2012年 有田陶芸協会会員となる
2013年 国・重要無形文化財保持団体(柿右衛門製陶技術保存会)会長に就任
日本工芸会正会員となる
2014年 二月四日、十五代酒井田柿右衛門襲名
佐賀県陶芸協会会員となる
現在 日本工芸会西部支部常任幹事
佐賀県陶芸協会副会長
有田陶芸協会副会長
九州産業大学大学院芸術研究科客員教授
佐賀大学芸術地域デザイン学部客員
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