「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)

10 / 13 山形一生《Airport》2020年

名称:「オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド」NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
会期:2021年10月30日(土)〜2022年2月27日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]
時間:11:00〜18:00 (最終入場時間 17:30)
休館日:月曜日
  月曜日が祝日もしくは振替休日の場合翌日
  年末年始 12月27日–1月4日
  保守点検日 2月13日
観覧料:入場無料
  (事前予約制・当日入場は事前予約者優先)
予約方法詳細はICCウェブサイトをご確認ください
住所:〒163-1404東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4F
TEL:0120-144-199
URL:NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)

伊阪柊《The Sprite》2021年(参考図版)
伊阪柊《The Sprite》2021年(参考図版)

科学的な発見が、私たちの認識を変え、新しい世界観をひらき、そのつど私たちは、新たな地平において物事を考えるようになりました。たとえば、2次元の平面世界(フラットランド※)からは、1次元や3次元の世界を知ることができないと言われますが、私たちは、自分のまだ知り得ない世界の存在を想像することで、未知の世界へと思考を広げてきたのです。
情報圏と呼ばれる、ICTがもたらした新しい環境の登場は、デジタル技術がたんにツールであることを超えて、人類が世界を理解し、解釈するための方法を変え、新しい次元を思考し、意識の革命をもたらすと言われています。一方、現実世界とインターネットの世界が地続きになったと言われるポスト・インターネット時代は、フィルター・バブルなどの情報を遮断した世界を作ることにもつながっています。
このような現代のテクノロジー環境を、新たな認識を生み出す可能性を持った新しいフラットランドと考え、閉ざされた次元を超えた世界を想像させるさまざまな表現を取り上げます。
そのほか、映像アーカイヴ「HIVE」、NTTの研究所や教育機関との連携、新進作家紹介コーナーなどを行なう予定です。
※1884年に英国のエドウィン・A・アボットによって書かれた小説『フラットランド たくさんの次元のものがたり』(竹内薫/訳 講談社)にちなんでいます。

emolingual《emolingual keyboard》2019年
emolingual《emolingual keyboard》2019年
岩井俊雄《マシュマロモニター》2002年 撮影:木奥恵三
岩井俊雄《マシュマロモニター》2002年 撮影:木奥恵三
イップ・ユック=ユー《To Call a Horse a Deer / 指马为鹿》2017年
イップ・ユック=ユー《To Call a Horse a Deer / 指马为鹿》2017年
細井美裕《Lenna》2019年 撮影:木奥恵三
細井美裕《Lenna》2019年 撮影:木奥恵三
布施琳太郎《名前たちのキス》2021年 撮影:木奥恵三
布施琳太郎《名前たちのキス》2021年 撮影:木奥恵三
「多層世界の中のもうひとつのミュージアム——ハイパーICCへようこそ」展示風景(参考図版)撮影:木奥恵三
「多層世界の中のもうひとつのミュージアム——ハイパーICCへようこそ」展示風景(参考図版)撮影:木奥恵三
グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》1997年 撮影:大高隆
グレゴリー・バーサミアン《ジャグラー》1997年 撮影:大高隆
齋藤帆奈《Non-Retina Kinematograph》2017年—
齋藤帆奈《Non-Retina Kinematograph》2017年—

出品作家および作品例(順不同)

アンナ・リドラー《モザイク・ウイルス》2019年 リアル

この作品は,世界初のバブル現象とされる,1630年代のオランダで起こった「チューリップ・バブル」と呼ばれる,チューリップの球根の価格の急騰と暴落に想を得て制作されています.
リドラーは,そこに現在の暗号通貨の投機との類似性を見出し,機械学習によるイメージ生成モデルを使用して,チューリップのイメージをビットコインの価格によってコントロールし,時間とともに変化させることで市場の変動を示し,その関係を明示しています.
タイトルは,チューリップのみが感染するモザイク・ウイルスによって生まれた変種が,爆発的な人気と価格の高騰を生み出したことに由来しています.

マヌエル・ロスナー 新作 リアル,オンライン

コンピュータ・グラフィックスによるカラフルなヴァーチュアル彫刻を,デジタル写真として現実空間に介入させるシリーズの作品を制作します.
現実の展示空間とそっくりなヴァーチュアルな展示空間を作り,現実世界には存在しない作品を仮想空間で展開し,私たちの現実とヴァーチュアルな世界との関係性を表現しています.
建築物のイメージに巨大なヴァーチュアル彫刻作品を合成し,仮想の公共空間での制作を行うなど,リアルとヴァーチュアルを連動させる展示を行なっています.

細井美裕《Lenna》2019年 リアル

この作品は,NHKが開始した8K衛星放送における音声の制作・伝送規格である,22.2チャンネルサラウンドのフォーマットで制作された,声のみを素材にした空間的な音楽作品です.
展示においては,無響室の特性を生かした独自の再生環境で,立体的な音場を体験できるようにしています.

 無響室でおひとりずつ体験していただく作品のため,予約制です.予約方法につきましては,後日ICCウェブサイトにてお知らせいたします.(2019年度オープン・スペース展示作品/継続)

原田郁(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス) リアル,オンライン

コンピュータ内に自身で制作した3DCGの架空の世界を立ち上げ,その仮想世界と現実世界を往来しながら,その仮想世界の中の風景を絵画作品として制作しています.
今回は,絵画を制作する現実のアトリエを,仮想世界の中の作家のアトリエと重ね合わせてオンラインで公開します.また,公開制作のプロセスをさらに仮想空間にフィードバックすることで,絵画と仮想世界の風景が変化していきます.
今年度より開始した,ICCのオンライン・プラットフォームでのレジデンス・プログラムで,会期を通じて,随時制作が行なわれます.

emolingual  リアル

emolingualは,2019年に結成された,絵文字にまつわる創作活動や開発を行なうプロジェクトです.これまでに,絵文字を入力するための専用キーボードや,入力された文章に対して文脈に合致した絵文字を自動で推定し提案する入力インターフェイスを開発してきました.
絵文字は,現在では「emoji」として世界中の人に使われ,その流行は文字コードの国際基準であるユニコードの普及にも大きく寄与したと言われています.emolingualは,その活動を通して,言語としてのemojiのさらなる可能性を探究しています.

そのほかの出品作家

伊阪柊/イップ・ユック゠ユー/岩井俊雄/齋藤帆奈/グレゴリー・バーサミアン/布施琳太郎/山形一生(オンライン・アーティスト・イン・レジデンス)/小鷹研究室(名古屋市立大学)

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る