写真展「植田正治を変奏する」東京工芸大学 写大ギャラリー

小さい伝記」より 1974〜1985年

名称:写真展「植田正治を変奏する」東京工芸大学 写大ギャラリー
開催期間:2021年11月29日(月) ~ 2022年1月29日(土)
  (月〜金)10:00 ~ 18:00、(土)10:00 ~ 17:00
休館日:日曜日、2021年12月26日(日)~ 2022年1月5日(水)、
  2022年1月14日(金)〜1月16日(日)
入場料:無料
会場:東京工芸大学 写大ギャラリー
展示作品: カラー・モノクロ写真作品 約100点
主催:東京工芸大学 芸術学部
協力:植田 亨(植田正治ご子息)
〒164-8678 東京都中野区本町2-4-7 5号館(芸術情報館)2F
TEL:03-3372-1321 (代)
地下鉄丸ノ内線/大江戸線 中野坂上駅下車 1番出口・徒歩7分 
URL:東京工芸大学 写大ギャラリー

「砂丘モード」より 1983年
「砂丘モード」より 1983年

本展は、植田正治のオリジナルプリント作品を中心に展示するものです。
植田正治は 1913 年に鳥取県に生まれ、写真雑誌の月例コンテストを中心に活躍し、構成的な写真作品で知られるようになりました。戦後は砂丘を舞台とした家族写真やセルフ・ポートレイト、山陰の風土とそこに生きる人々を撮影した「童暦」や「小さい伝記」のシリーズなどで広く知られる存在になります。1980 年代以降は、モード写真にも挑戦しました。「絶対非演出の絶対スナップ」など社会的リアリズムを旗頭に戦後の写真界をリードした土門拳の影響が色濃い時代に、山陰地方に拘り、独自の「演出写真」を生み出しました。その作風は「Ueda-Cho(植田調)」と呼ばれ、国内はもとより海外でも高い評価を受けています。
2002年にデジタルカメラの出荷台数がフィルムカメラを越えて以来、銀塩写真の機材や資材は衰退を続けています。もちろんデジタル写真やインクジェットプリントの進化には疑いの余地はありませんが、ネガフィルムからプリントを行う銀塩写真の魅力も色褪せるものではありません。
「ネガは楽譜、プリントは演奏。」これは、アメリカの風景を美しいモノクロプリントに仕上げた20世紀を代表する写真家、アンセル・アダムスの有名な言葉です。同じひとつのネガからでも、焼き付けを行う人間によって、生み出されるプリントは異なります。本学写真学科教授 田中仁は20年を超えて写真家、植田正治の研究を続けています。これまで数えきれぬほど、植田正治の生家や撮影地に足を運んできました。そして今年、植田正治が残したガラス乾板やモノクロネガフィルムからプリントを行うプロジェクトを依頼されました。その内容は誰もが知る有名作品から、これまでほとんどプリントをされることがなかった作品まで多岐に渡ります。
本展覧会では、作家本人による貴重なヴィンテージプリントと田中仁がプリントする植田作品を展示します。そして植田の生家に遺された写真表現に関わる数々のものやゆかりの地を撮影した写真もご覧いただきます。プリントが稀少なガラス乾板による作品なども多数展示を行い、オリジナルプリントとモダンプリントを比較するなど「RESEARCH」と「TRIBUTE」の観点から植田正治の世界を紐解きます。

パパとママとコドモたち」 1949
パパとママとコドモたち」 1949

植田 正治(うえだ しょうじ, 1913―2000年)
鳥取県西伯郡境町(現・境港市)に生まれる。1932年東京のオリエンタル写真学校に入学、卒業後、郷里で営業写真館を開業。日本光画協会に入会。写真雑誌の月例コンテスト等で活躍。1937年中国写真家集団の創立メンバーとなる。砂丘等を舞台に構成された演出写真は植田調と呼ばれ、「砂丘シリーズ」のほか、山陰の風土とそこに生きる人々を撮影した「童暦」や「小さい伝記」、1980年代以降のモード写真など高く評価されている。1987年第9回アルル国際写真フェスティバルに招待される。1988年第4回東川賞国内作家賞、1989年日本写真協会功労賞、1996年フランスの芸術文化勲章シュバリエ受章。1995年鳥取県西伯郡岸本町(現・伯耆町)に植田正治写真美術館が開館された。

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