安野谷昌穂 「Earth Song, Birth Gong」parcel

安野谷昌穂 「Earth Song, Birth Gong」parcel

名称:安野谷昌穂 「Earth Song, Birth Gong」parcel
会期:2022年4月2日(土)~2022年5月1日(日)
開館時間:14:00 〜 19:00
休館日:月曜、火曜
オープニングパーティー:2022年4月1日 18:00 から 21:00 まで
入場料:無料
会場:parcel
住所:〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町2-2-1 DDD hotel 1F
URL:PARCEL

parcelでは、4月2日より安野谷 昌穂個展 “Earth Song, Birth Gong”を開催いたします。
安野谷にとって2年ぶりの個展となる本展では、スケールある新作大小様々なペインティング作品を発表いたします。
本展で発表される作品は2020年頃〜2022年に制作されているものが中心になります。それ以前にも、世界中では現在と変わらず限りなく出来事が起こっていたはずなのですが、コロナ以降、世界はこれまでより一層混沌とし、日々耳を塞ぎきれない程の情報が入ってくるように思えます。報道される現実や噂話に限らず、現象に映し出された人の美しさや醜さ、または個人的な人間関係の出来事や、春になって日差しが気持ちいい、などといった様々な性質の事象が今同時に起こっている、という感触が以前に増して強くなったようにも感じられます。多様な情報はこちらの意思に構わず日々体の中に入り込んできますが、自身の内に蓄積したそれらの輪郭をなぞり、消化するのは容易ではありません。
安野谷の作品は、ペインティング、ドローイング、コラージュ、パフォーマンス、写真など、多様な手法を用いており、それぞれの作品の表情は大きく違います。本展にて発表されるパネルに描かれた作品では、土を耕し作物を育てるように、もしくは子供が枝で地面を掘り返して遊ぶように、パネルの上に石灰を盛り、削る、描く、重ねる、という行為が何層にも繰り返されています。その一方で、キャンバス作品では、空気を内包し、音のような何かに色をつけるようにして、アクリル・油彩などが優しく何度も重ねられています。どの作品においても、身の周りに起こる出来事、環境を知覚することで安野谷に引き起こされた感覚が発端として描かれており、それらの感覚は言語的思考とは別の場所(安野谷の言葉では 思考の裏側にある無意識の領域)から丁寧に呼び起こされ、最適なマテリアルや手法を手探りながら色が重ねられ形作られているのです。
各シリーズ、作品は極めて実験的に制作されていますが、これは安野谷自身が語るように「常に初心者であること」を大切にしているためです。プリミティブな線や形状、予期せぬ偶発的な色味や現象を作品に活かすため、あえて耐えず慣れない技法に手を出し、組み合わせながら独特な世界観を構成していくのです。それは彼が自分の周辺で知覚した時の感覚を、純度高く支持体に留めておくための行為とも言えます。
展覧会タイトルにあるように、本展では、地(地球、地面、地上)、生(エネルギー、死、命)のイメージが作品に表出しています。今ここで我々が吸ってる東京の空気と安野谷の住む兵庫、戦争が起こっている別の場所の煙たい空気は全て繋がっており、同じものであるということ。生死を巡るエネルギーと、それらを包んでいるもののかたちとしての地球、人体、家、動物や虫のすみか、子宮もそれと等しくあること。森羅万象、全て同様であり連続しているという感覚を安野谷は絵画を通して明るみにします。
作品を通して、具象化することのない事象や作家個人が感じた言葉のつかないイメージ、そして絵画の持つエネルギーを感じて頂ければ幸いです。

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