名称:「よめないけど、いいね!―根津美術館の書の名品―」根津美術館
会期:2022年7月16日(土)~8月21日(日)
休館日:毎週月曜日 ただし7月18日(月・祝)は開館、翌19日(火)休館。
開館時間:午前10時~午後5時。(入館はいずれも閉館30分前まで)
入場料:オンライン日時指定予約
一般1300円
学生1000円
*障害者手帳提示者および同伴者は200円引き、中学生以下は無料
会場:根津美術館 展示室1・2
住所:〒107-0062東京都港区南青山6-5-1
TEL:03-3400-2536
URL:根津美術館
書の名品と言われても昔の人の字は読めないから苦手だ、何が書いてあるのかわからないからつまらないなどと、書の展覧会は敬遠されがちです。もちろん、書かれた内容を正しく理解するには読むことが必須ですが、それはひとまず活字本にゆずりましょう。 たとえ読めなくても、肉筆の書ならではの魅力に触れることはできるのです。 根津美術館所蔵の書の名品を軸に構成した今回の展覧会は、先人たちによって大切に保存されてきた書の見どころをわかりやすくご紹介することを目指しました。「よめないけど、いいね!」と実感していただけたら、そしてこの展覧会が、書の作品をさらに深く鑑賞するためのひとつのきっかけとなれば幸いです。
★釈迦の骨を漉き込んだ?という荼毘紙
その堂々たる書風と、かつて東大寺に伝来したことから、江戸時代の鑑定家が聖武天皇の筆蹟として「大聖武」と名付けた。紙の原料であるマユミの木の粗い繊維または樹脂成分とされる粒子を釈迦の骨の粉末に見立て、荼毘紙(だびし)と呼ばれた料紙に書かれている。
★よめないけど、スピード感が気持ちいい
金銀の絵の具で華麗な下絵を描いた料紙の上を、ためらいもなく動く筆のスピード感が魅力である。筆者の藤原定信は当時20代半ば、のちに42歳から23年かけて計5000巻以上の「一切経」をひとりで写すという偉業をなし遂げた。
★まさか切り取られているとは!
さすが高僧の書は格調が高い。が、江戸時代の記録との照合によれば、当初の冒頭5行と小字部分の1行目が切りつめられている。茶の湯の掛物とするために切断再構成されたのである。はなから 読むことを放棄しているのだ。
★よめなくても、極楽へは行けるかも
平安時代には法華経の書写がとくに盛んとなる。法華経を写すこと、さらには経巻を飾ることによって、極楽に往生できるという思想が背景にある。全巻を金銀箔散らしの茶色の染紙で統一した、初公開の美麗な装飾経。
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