「伊藤 学美 garden 」堀川新文化ビルヂング(株式会社 大垣書店)

「伊藤 学美 garden 」堀川新文化ビルヂング(株式会社 大垣書店)

名称:「伊藤 学美 garden 」堀川新文化ビルヂング(株式会社 大垣書店)
会期:2022年 6月11日[土]— 7月3日[日]
時間:13:00~19:00
休館日:水・木曜日
料金:無料
住所:〒602-8242 京都府京都市上京区皀莢町287
TEL:075-431-5551
URL:堀川新文化ビルヂング(株式会社 大垣書店)

堀川新文化ビルヂング全館に渡って、魅力的な作品を展開させる企画[EXTRA-NEUTRAL]では、版画家・伊藤学美による個展『garden』を開催いたします。
2011年に京都市立芸術大学大学院を修了した伊藤学美は、銅版画の古典技法のひとつであるドライポイント技法により、写真と絵画の狭間にあるかのような作品を制作しています。
銅版にニードルで直接イメージを刻み込むこのドライポイント技法は、その線に独特の柔らかさや滲みによる豊かな表情が現れます。
伊藤は写真を参照しながら長時間に渡って版を彫り、やがて風合いのある紙にうつしとります。これにより細部においては詳細でありながら、全体にはまるで水墨画のような柔らかさを持つ、魅力的な画面をつくりだします。
本展『garden』では、堀川新文化ビルヂング全体を『庭』に見立て、館内各所に伊藤のこれまでの作品から「松」、「水鏡」、「雪景色」のシリーズを展示するものです。
1階玄関付近および歩道に面した階段下ウィンドウスペースには、「松」をモチーフとした作品が複数展示されています。
同じ松でありながらも筆致の異なる作品は、私たちと対象との距離の差異を感じさせます。
階段の踊り場と、大垣書店内には、「水鏡」をモチーフとした作品を展示。これは伊藤にとって長い時間をかけて制作した版こそが実像であり、刷られた紙は虚像であるとの思考から制作したシリーズとなります。
カフェSlow Page店内には「雪景色」をモチーフとした作品が複数展示されています。モノクロの版画作品にとって、白は紙の由来するものです。図の無い部分の紙の白が雪にとなっている本作品は、伊藤の一版一色の版画特性を活かしたものと言えますが、作品を見るうちに、どこか地と図が反転したかのような感覚を受けるのではないでしょうか。
3つのシリーズによって構成される本展示において、伊藤の版画作品を眺める中で、版画の持つプロセス(時間制)を想像するとともに、焦点や距離、地と図など、私たちの目や視線のあり方の不思議についても、思いを巡らせる機会となれば幸いです。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る