塩原有佳 + 須永有 「Beyond the Canvas: キャンバスの向こう側」ANAインターコンチネンタルホテル東京

塩原有佳 + 須永有 「Beyond the Canvas: キャンバスの向こう側」ANAインターコンチネンタルホテル東京

名称:塩原有佳 + 須永有 「Beyond the Canvas: キャンバスの向こう側」ANAインターコンチネンタルホテル東京
会期:2022年5月10日(火)~2022年7月31日(日)
入場料:無料
会場:ANAインターコンチネンタルホテル東京
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂1-12-33
TEL:03-3505-1111
URL:ANAインターコンチネンタルホテル東京

ARTPLAT(ART PLATFORM TOKYO)は、塩原有佳と須永有をフィーチャーした二人展「Beyond the Canvas: キャンバスの向こう側」を開催します。
「未曾有の疫病が世界的に広がり、21世紀とは思えない戦争のニュースが聴こえてくる。わたしたちが居る、いま・ここは数年前には想像し得なかったものであろう。そこでもう一度、今作品をみることは何であろうか、と考える。
本展覧会で取り上げる塩原有佳、須永有は共にペインティングを主として制作を行う作家である。塩原、須永両氏に共通するのは、キャンバスというメディウムへの意識だ。
塩原は過去の名画の部分を引用・構成して画面を作る。その手つきは、ある意味非常に現代的であるとも言える。情報は速報という体を取り、凄まじいスピードで流れいく。そのような環境下、何かを語ることは常にコラージュ的な側面を持つからだ。塩原の作品においてキャンバスは、流れの速い川の中にある中洲のように、情報を集積し、一つの世界観を作り出す場として機能する。名画から引用された「部分たち」は重ねられ、多声的な画面を作り出す。それはちょうど、歴史が多くの声によって紡がれるように。
一方、須永の「描く」という行為は「存在」を現前させるための道筋である。須永の作中の「存在」とはすなわち炎、影、光などはかなく移りゆくものであり、それらは頻繁に手や筆など存在を掴もうとするモチーフと共に登場する。しかし、影を掴もうとする手のひらは開かれたままなのだ。すなわち、影は描かれた手によって捕らえられるのではなく、力強い筆致の元、手と共にキャンバスに刻み込まれるのである。このように須永の作品は、写真のように一瞬を切り取り記録するものではなく、一瞬を白いキャンバスに油絵具と絵筆を使い彫刻するのである。
キャンバスという独立した空間を「見ること」は、私たちをその世界へと導き、時にその先へと誘う。塩原・須永両氏の作品は、キャンバスに歴史を重ね、不可視なものを現出させることによって、私たちの前に、未知の窓を出現させる。その窓は予測不可能な今日の情報社会において、私たちの内側に全く違う景色を作り出してくれるだろう。」

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