名称:「「もしもし、奈良さんの展覧会はできませんか?」奈良美智展弘前 2002-2006 ドキュメント展」弘前れんが倉庫美術館
会期:2022年9月17日(土)〜 2023年1月28日(日)[予定]
休館日:火曜日 ※12月26日(月)〜1月1日(日)は休館
開館時間:9:00-17:00(入館は閉館の30分前まで)
主催:弘前れんが倉庫美術館
観覧料[税込]:
一般 1,300円 (1,200円)
大学生・専門学校生 1,000円 (900円)
※()内は20名様以上の団体料金
住所:〒036-8188青森県弘前市吉野町2-1
TEL:0172-32-8950
URL:弘前れんが倉庫美術館
(…)みんなががんばってオープンした直後は花が咲いてお花見をする感じ。そして、花は必ず散るように、会期があるから展覧会も終わる。でも、終わった後には、種とかいろんなものをみんなが落とすんじゃないかな。(…)花が咲く背景には、土に還って養分となったたくさんの葉っぱがある。
—奈良美智の言葉より(2006年)(『A to Z 奈良美智+グラフ』フォイル、2006年)
本展は、美術館になる前の煉瓦倉庫で開催された、弘前市出身の現代美術家・奈良美智(1959-)による三度の展覧会*の軌跡を振り返る展覧会です。
現代美術作家として国際的に活躍する奈良は、1988年の渡独後、海外での活動も積極的に行う中、2000年に帰国します。翌年から、国内初の本格的な個展「I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME.」が全国を巡回し、2002年には煉瓦倉庫を会場として開催されました。これを契機として、2005年、2006年にも煉瓦倉庫で奈良の展覧会が開かれました。
「奈良美智展 弘前」、通称「ナラヒロ」と呼ばれたこれらの展覧会は、当時煉瓦倉庫を所有していた吉井酒造株式会社の社長・吉井千代子と奈良の出会いをきっかけに、市内外から集まった多くのボランティアが主体となり実現しました。全国から多くの来場者が訪れ、街中に新たなエネルギーがもたらされました。このことは、美術館のなかった弘前に新しいアートの拠点ができることの可能性について市民が意識を向けるひとつの大きな機会となり、さらには煉瓦倉庫が現在の「弘前れんが倉庫美術館」として生まれ変わるための具体的な動きへと繋がりました。
煉瓦倉庫での最初の奈良美智展から20年を迎える本年、煉瓦倉庫と地域の関係性において重要な意味を持つ、この「ナラヒロ」にあらためて光をあてます。三度の展覧会を、当時の印刷物やグッズ、記録映像など様々な資料によって振り返り、かかわった人たちの思いをたどります。当時の展覧会準備の様子や展示風景を撮影した、写真家の永野雅子と細川葉子による写真展示のほか、過去に出展された奈良美智の絵画作品の展示などを予定しています。
資料および作品の展示、さまざまな角度からのリサーチの実践を通して、弘前で生まれた「ナラヒロ」というひとつの事例を基点としつつ、地域のアートプロジェクトや美術館、そしてそこに関わる人々をとりまく複数の問いを浮かび上がらせ、考えをめぐらせるための場の創出を目指します。
アーティスト
奈良美智
1959年、青森県弘前市生まれ。現在、栃木県那須塩原市を拠点に活動している。見つめ返すような瞳の人物像が印象的な絵画、日々生み出されるドローイング作品のほか、木、FRP、陶、ブロンズなどの素材の立体作品や小屋型のインスタレーション作品の制作でも知られる。ヨーロッパ、アメリカ、日本、そしてアジアの各地のさまざまな場所で発表を続けている。
1980年代後半から作家活動を開始し、1988年渡独、国立デュッセルドルフ芸術アカデミー入学。修了後、ケルン在住を経て、2000年帰国。2001年に国内で初めて大規模な個展を開催し、横浜美術館ほか全国で巡回。近年の主な個展に「YOSHITOMO NARA」(ロサンゼルス・カウンティ美術館、2021-2022年)、「奈良美智特展」(台湾芸術大学 関渡美術館/高雄市立美術館、2021年)などがある。
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