名称:「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」島根県立石見美術館
会期:2022年9月17日(土)~11月28日(月)※会期中一部展示替えあり
前期:10月24日まで、後期:10月26日から
開館時間]9:30~18:00(展示室への入場は17:30まで)
休館日:火曜日
会場:展示室C・D
主催:島根県立石見美術館、しまね文化振興財団、中国新聞社、日本海テレビ
特別協力:東京国立近代美術館、東京藝術大学、ミサワホーム株式会社
協力:日本航空、ヤマト運輸株式会社
後援:芸術文化とふれあう協議会
助成:一般財団法人地域創造
住所:〒698-0022島根県益田市有明町5-15
TEL:0856-31-1860
URL:島根県立石見美術館
1910年代から30年代は西欧を中心に日本を含む各地で、様々な「モダン」の形が現れた時代でした。
機能主義に基づく「モダニズム」は、いまだに当時の中心的な動向と見なされていますが、一方で、大衆消費社会が進展したこの時代は、常に新しくあるために装飾することに価値が置かれた、儚き「モダニティ」の時代でもありました。そして、この対立的に捉えられてきた二つの「モダン」は、実際にはいくつもの様態をうちに含みグラデーションをなしており、複雑に関係しながら濃密な時代を作り上げていました。
当時の作家たちは国やジャンルを超えて交流し、情報を共有して同期し合いました。その範囲は、絵画、彫刻から、家具、食器、洋服、さらにそれらを収める建築や都市など、私たちが活動する空間全体におよびます。
生活と芸術を一致させようと総合芸術の実践を掲げたウィーン工房は、フランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレと刺激し合い、一方室内装飾や建築を手がけたロベール・マレ=ステヴァンらフランスのモダニストへも大きな影響を与えました。ウィーン工房の生活全般への眼差しはまた、日本で新たな生活様式を模索した森谷延雄や斎藤佳三らにも共有されるものです。同時主義絵画で知られるソニア・ドローネーはファッションの仕事に専心し、建築、家具デザインを手がけたルネ・エルブストらモダニストは都市を彩るショーウィンドウデザインに大きな関心を払いました。そして、ドイツのバウハウスでは女性作家が織物に新たな光を当て、また、同校を離れた作家たちが、グルク・ギービッヒェンシュタイン美術工芸学校を舞台に応用芸術教育に取り組むことになります。
1914年に勃発した人類史上初の世界大戦が象徴するように、この時代の最大の出来事は世界が一気に同期したということでした。本展ではおよそ400点の作品や資料をもとに、急速に変化する社会の中で作家たちがときに交わり、ポリフォニーのように共鳴しながら探求したいくつもの「モダン」の形を紹介します。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。