大久保あり + 志田塗装 「そして、初めに戻る」アズマテイプロジェクト

大久保あり + 志田塗装 「そして、初めに戻る」アズマテイプロジェクト

名称:大久保あり + 志田塗装 「そして、初めに戻る」アズマテイプロジェクト
会期:2022年9月17日(土)~2022年9月25日(日)
開館時間:14:00 〜 18:00
休館日:月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日
入場料:無料
会場:アズマテイプロジェクト
住所:〒231-0033 神奈川県横浜市中区長者町7-112 伊勢佐木町センタービル3F
URL:アズマテイプロジェクト

大久保ありは、「#20 イタリアの三日月」(2021)に参加し、AZPの空間に合わせた新作インスタレーション「You wouldn’t see the Ghosts」を自作の短編小説とともに発表しました。志田塗装は、「#27 志田塗装 虚実の皮膜」(2022)で、古びた外壁を再現する描画技術やこれまで収集してきた建築物の外壁塗膜のコレクションを初公開しました。大久保が同展に訪れたことから両者の交流は生まれています。志田塗装の仕事に興味を持った大久保は、参加が決まっていた「MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」(東京都現代美術館)の自身の展示空間の塗装を依頼しました。現在開催中の同展で大久保が試みているのは、内と外が入子状になった大規模な回廊状の空間をつくり、そこに自身の過去の作品を再構成しつつ配置することで、複数の物語と時間軸が交差する「新たな物語」を紡ぐことです。志田塗装は、その回廊の壁面に清澄白河周辺の古い住宅の外壁や現代美術館の外観を模した特殊塗装を施し、さらに会期中にはその壁面にイタズラ描き=作品を挿入しました。大久保作品の文脈から外れた志田塗装のこの行為は、路地裏で目にする日常的光景としての錯覚を起こさせます。一方、今回のAZP展示では、「志田塗装の事務所」への介入が、大久保によって試みられることになります。現代美術館とAZPという2つの場所への同時進行的な挿入と介入は、すれ違いながらも重なり合い、それぞれの物語を駆動させていくことになります。
アズマテイプロジェクトは、独立した個として活動するアーティスト同士が繋がり協働しながら運営するスペースとして、自主的な表現の場をつくり上げてきました。残念ながらその活動の舞台となっている伊勢佐木町センタービルの幕はまもなく下りてしまいますが、アーティストの自主的な表現の場づくりに終わりはありません。展覧会タイトルの 「そして、初めに戻る」は、一旦終了した舞台のエピローグからこれから始まるプロローグまでの幕間を意味しています。変えられない終わりの不可逆な状況下に置かれながらも、そこに抗うアーティストの姿勢を少しでも感じ取っていただける機会にできれば幸いです。

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