「AGAIN-ST ルーツ/ツール 彫刻の虚材と教材」武蔵野美術大学 美術館・図書館
名称:「AGAIN-ST ルーツ/ツール 彫刻の虚材と教材」武蔵野美術大学 美術館・図書館
会期:2022年10月24日(月)-2022年11月20日(日)、2022年11月28日(月)-2022年12月18日(日)
時間:12:00 – 20:00(土・日曜日、祝日は10:00 – 17:00)
休館日:水曜日
入館料:無料
会場:展示室3
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
協力:金沢美術工芸大学彫刻専攻、多摩美術大学彫刻学科研究室、東京藝術大学美術学部彫刻科彫刻研究室、東京造形大学彫刻準備室、日本大学芸術学部美術学科彫刻コース彫刻専攻、武蔵野美術大学彫刻学科研究室
グラフィックデザイン:小山麻子
会場構成:L PACK.
住所:東京都小平市小川町1-736
TEL:042-342-6003
URL:武蔵野美術大学 美術館・図書館
AGAIN-ST(アゲインスト)は、彫刻を主な表現領域とする作家・美術教育者である冨井大裕、深井聡一郎、藤原彩人、保井智貴に加え、近現代彫刻研究を専門とする石崎尚、デザイナーの小山麻子によって2012年に結成されました。本展は、日本の彫刻の現状とその有効性について、正解を求めるのではなく考える機会を創出すべく活動する彼らの、10回目の展覧会となります。本展では、彫刻を志す誰もが一度は扱う石膏を「虚材」と位置づけ、ゲストを含めた11名の作家による石膏を用いた作品(主に新作)を展観し、さらに作家愛用の道具や、各美術大学で使用されている彫塑台などを合わせて紹介します。彫刻におけるルーツとツールをめぐり、彫刻固有の性質(そのわからなさ)について考える一機会とします。
AGAIN-ST(アゲインスト)の活動は、彫刻をめぐる危機感を共有した上で、「彫刻は今なお有効性を持っているのか」という問いを立てたことに端を発します。彼らは現代の日本の彫刻が置かれている現状について、当初より一貫して、正解を求めるのではなく考える機会を創出すべく問題提起を続けてきました。これまで自主企画展やトークイベントを中心に続けてきた活動は今年で10年を迎え、本展は彼らの10回目の展覧会となります。
自身や鑑賞者たちが彫刻固有の性質(そのわからなさ)に改めて目を向けられるテーマを展覧会ごとに設定し、議論の起点としてきたAGAIN-STは、本展では「石膏」と「道具」に焦点をあて、本テーマのもとに7名の作家をゲストに迎えます。展覧会タイトルに掲げた「ルーツ」は彫刻を志す誰もが一度は扱う素材としての石膏を示し、「ツール」は文字通り塑像の制作における道具を表します。この二つの側面から、彫刻教育の現場で無意識のうちに受け継がれてきたであろう作法を相対化することを試みます。副次的な素材である石膏を主要な素材として用いた作品(主に新作)と、各作家や各美術大学所有の道具を並置することで、私たちに空漠たる彫刻の輪郭について、改めて考える機会を与えてくれるかもしれません。
- 石膏
美術大学、あるいは美術予備校には「実材実習」などの授業があります。「実材」は、原則的には物質の抵抗感が強く、恒久性のある石や木、鉄、ブロンズ、FRPなどの呼称であり、現在では陶(セラミック)なども含まれていますが、石膏や粘土は実材とは呼ばれません。本章では、主に型取りに使用されるなど付随的な素材である石膏を「虚材」(石崎による造語)と位置づけ、参加作家それぞれが石膏を主たる素材に用いた新作を中心に展示します。世代の異なる11名の作家の日頃の制作における石膏との関わり合いは一様でなく、「虚材」たる石膏をあえて作品内容を支える実材として用いることよって、彫刻表現における素材への意識が一層顕在化されることでしょう。 - 道具
本章では、作家が愛用する(した)道具、彫刻学科を有する各美術大学ゆかりの塑像や石膏取りにまつわる道具を展示します。各々の形態を比較し、差異を見つめることで、そこに内包された作家の思考や思想、各美術大学の教育理念などを窺い知ることができるでしょう。なお、本章の会場構成には、小田桐奨と中嶋哲矢によるユニットL PACK.を迎えます。
出品作家紹介
(五十音順)
菅原玄奨(すがはら・げんしょう)
1993年東京都生まれ。2018年東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域修了。2020年個展『anonym』EUKARYOTE(東京)、2021年個展『Superficial Sensation』FOMO(台湾・台北)、2022年『Have you ever seen a ghost?』Tokyo International Gallery(東京)。
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