
名称:開館35周年記念特別展「戸栗美術館名品展Ⅱ―中国陶磁―」戸栗美術館
期間:2022年11月21日(月)~12月29日(木)
開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
※金曜・土曜は10:00~20:00(入館受付は19:30まで)
休館日:月曜日・火曜日
※開館記念日にあたる11月21日(月)・22日(火)は開館。
入館料:一般 1,500円 / 高大生 500円
※中学生以下は入館料無料。
※上記の内容は予告なく変更となる場合がございます。予めご了承くださいませ。
住所:〒150-0046東京都渋谷区松濤1-11-3
TEL:03-3465-0070
URL:戸栗美術館

「中国の陶磁は世界の宝物。なかでも官窯のきれいなものがいい」。当館創設者 戸栗 亨(とぐり とおる/1926〜2007)は伊万里焼や鍋島焼などの日本の磁器を数多く蒐集しましたが、冒頭の言葉にあらわれているように中国陶磁にも高い関心を持ち、優品の取得に尽力しました。
景徳鎮官窯(けいとくちんかんよう)の作例の中でも、とりわけ愛好していたのが青花(せいか)です。青花とは、コバルト顔料による釉下彩の技法。元(げん)時代後期にあたる14世紀に景徳鎮窯で確立され、明(みん)時代前期に開始される官窯でも受け継がれました。美しい白地に映える清廉な青色、端正な筆致、時代の趣を反映した雄渾さや優美さを備えた文様構成など、完成された姿に感じ入るところがあったのでしょう。
今展では、館蔵の明時代前期の景徳鎮官窯の青花をはじめとした中国陶磁約80点を、15年振りに一挙公開いたします。戸栗の審美眼によって精選されたコレクションをご高覧ください。



青磁で名高い龍泉窯の作。一切の文様を排し、形姿と釉調を追求した気品漂う優品です。

元青花特有の重厚な青色や、濃密な文様構成が荘厳な印象をもたらす大盤。

銅呈色の釉裏紅(ゆうりこう)は焼成が難しいとされますが、本作は完好な焼き上がりです。文様構成や釉肌、発色などの点からみて屈指の名品といえます。

口径60㎝を超える大作でありながら、繊細な線描や濃淡を駆使した丁寧な絵付けです。麗しい白色の磁肌を活かした構成で、優美な印象を醸し出しています。

たわわに実をつけた葡萄(ぶどう)の一枝を描き、背面には葡萄を食む栗鼠(りす)をあらわしています。端正な形姿によく合った格調高い筆致、上品な発色など見事な仕上がりです。

唐三彩では馬の作例は少なくありませんが、その中でも白を基調とした本作は格調高い美しさを湛えています。
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