コレクション展3「もじのちから/讃岐漆芸ってなんだ?~技法と風景~」高松市美術館
名称:コレクション展3「もじのちから/讃岐漆芸ってなんだ?~技法と風景~」高松市美術館
会期:2022年11月16日(水曜日)~12月25日(日曜日)
(※会期が当初(11月9日(水曜日)~12月25日(日曜日))より変更となりました)
会場:1階常設展示室
休館日:月曜日
開館時間:午前9時30分~午後5時
(ただし、特別展開催期間中(11月12日~12月25日の金曜日・土曜日は、午後7時まで)
主催:高松市美術館
観覧料:
【一般】 200円(160円)
【大学生】150円(120円)
【65歳以上・高校生以下】無料
※( )内は20名以上の団体料金
住所:〒760-0027香川県高松市紺屋町10-4
TEL:087-823-1711
URL:高松市美術館
アート作品には、しばしば文字が登場します。文字はあらゆる役割を担いながら作品の世界を拡張させます。
西洋においては、シュルレアリスムの画家ルネ・マグリットがパイプの絵の下に「これはパイプではない」という言葉を添えて、絵に描かれたものは単なるイメージにすぎないことを改めて示しました。その後も、文字はポップ・アートなどでも頻繁に用いられ、コンセプチュアル・アートでは概念を伝える言葉として多用されます。制作する日の日付を絵画化した河原 温の《NOV. 18, 1987》もコンセプチュアル・アートに位置づけられるものです。
一方、日本では掛け軸や絵巻において、絵と文字は共に描かれてきました。村上 隆や山口 晃の作品は、そのような日本の伝統的なスタイルに倣いながら描かれたものです。さらに、福田 美蘭の《春景山水図》などは、雪舟の作品から感じられる風の音などを文字として描きこんだ作品で、文字の形が音や声そのものを表しているようです。
本展覧会ではこの他に、デザイナーから画家へ転身した横尾 忠則によるポスターや絵画作品、言葉が溢れる街を表現した照沼 敦朗のアニメーション作品などをご紹介します。
香川の伝統工芸として知られる讃岐漆芸さぬきしつげい。ですが、漆ってどのような素材なのか、讃岐漆芸でよく言われる三技法「存清ぞんせい・蒟醤きんま・彫漆ちょうしつ」って何なのか、知らない人や忘れてしまった人もいるでしょう。これらの技法は江戸時代末期の漆芸家・玉楮 象谷たまかじ ぞうこくが異国の作品などを参考にしながら生み出したもので、用いる技法によって作品の趣も異なります。もちろん、技法のことなどを知らずとも作品を見て楽しむことはできますが、知ることで作品の見方が変わるかもしれません。
また、これらの技法を用いて讃岐の風景を表現した作品もあります。たとえば、蒟醤の技法で人間国宝となった磯井 如真いそい じょしんの《乾漆蒟醤水指かんしつきんまみずさし 瀬戸内海之圖せとないかいのず》は五剣山や塩田、屋島の姿を水指の周りに描き出しており、同じく人間国宝の太田 儔や磯井 正美の作品にも高松港や屋島の姿を見ることができます。
本展覧会では、讃岐漆芸の技法をご紹介するとともに、讃岐の風景をとらえた作品も展示します。香川の誇る讃岐漆芸の世界をお楽しみください。
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