西尾美也×岡本光博「縫い合わせる」GALLERY GALLERY

西尾美也×岡本光博「縫い合わせる」GALLERY GALLERY

名称:西尾美也×岡本光博「縫い合わせる」GALLERY GALLERY
会期:2022年12月17日(土) 〜 2022年12月28日(水)
会場:GALLERY GALLERY
時間:12:00~19:00(最終日は17:00まで)
休館日:木曜日
料金:無料
住所:〒600-8018京都市下京区河原町四条下ル東側 寿ビル5F
TEL: 075-341-1501
URL:GALLERY GALLERY

現代美術家・西尾美也、岡本光博による二人展。それぞれのファイバーアート作品を同時展示する形で構成したインスタレーション展です。
矩形の布を縫い合わせた家の中に、矩形の布を縫い合わせたシャツを置く。モザイクをも想わせる2つの作品がどう響き合うか、興味があった。
両作品に込められた意図には相違がある。西尾美也の「人間の家」は内部に足を踏み入れることが重要だ。見上げる天井は陽光を透かして明るく、壁は風を受けて静かにはためく。心地よい空間が、家とはなにか、と思索へ誘う。
岡本光博の「服飾個人史1~岡本家」は衣服のブランドを示す布タグをつなぎ合わせる。鑑賞者にとって着用は可能性に過ぎない。小さなタグが映すメーカーと消費者の思惑を推し量り、それらを1着にまとめた批評性を楽しむ。
家と服は、ともに身体を守る機能をもつ。服は寒さを和らげ、体が傷つくのを防ぐ。家もまた風雨や暑さ寒さから人間を守る。
すなわち家や服は外界から隔離するための装置でもある。物理的な状態にとどまらない。高級ブランドの服、高い塀に囲まれた邸宅を想像してみよう。外と内、自己と他者を社会的な意味でも遮断するような。
感染症の爆発的な拡大によって、世界は隔離の必要に迫られた。患者や外来者を身体的に遠ざけた。それにとどまらず、貧富や階層の裂け目が広がった。
再び結び合うことができるだろうか。岡本がユーロコインの中央を抜いて指輪に仕立てたように。西尾が手製の更衣室を街頭へ持ち出して衣服の交換を促したように。そして2人が、由来を異にする矩形の布同士を縫い合わせたように。
本展キュレーション:深萱真穂(フリーライター/インデペンデントキュレーター)
西尾美也
1982年奈良県生まれ。2011年東京藝術大学大学院美術研究科後期課程修了。同年より文化庁新進芸術家海外研修制度2年派遣研修員としてケニア・ナイロビへ。2022年より東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授。
主な展覧会
2014 「六本木アートナイト2014」六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館(東京)
   「拡張するファッション」水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城)※FORM ON WORDSとして
2016 「あいちトリエンナーレ2016」愛知芸術文化センター
2017 「ソーシャリー・エンゲイジド・アート展」アーツ千代田3331(東京)
2018 「20th DOMANI・明日展」国立新美術館(東京)
2021 「東京ビエンナーレ2020/2021」海老原商店(東京)
岡本光博
1968年京都市生まれ。1994年滋賀大学大学院教育学修了。2001年にインド・サンスクリティケンドラ、2002年にドイツ・プルショウ城にアーティストインレジデンスで滞在制作を行う。
主な展覧会
2004 「コピーの時代」滋賀県立近代美術館
2007 「Thermocline of Art-Asian new waves」ZKM現代美術館(ドイツ)
2010 「ファッション奇譚」神戸ファッション美術館
2014 「美少女の美術史」青森県立美術館、静岡県立美術館、島根県立石見美術館
2015 「ディズニー美術」KUNST ARZT(京都)
2017 個展「THE ドザえもん TOKYO 2017」eitoeiko(東京)
2019 「あいちトリエンナーレ2019〈表現の不自由・その後〉」愛知県美術館
2020 「天覧美術」KUNST ARZT(京都)、eitoeiko(東京)

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