「工芸・Kôgeiの創造―人間国宝展ー」セイコーハウス銀座ホール

人形 秋山信子 「幻の青いケシ」(高さ34cm)

名称:「工芸・Kôgeiの創造―人間国宝展ー」セイコーハウス銀座ホール
会期:2023年4月6日(木) ~ 2023年4月23日(日)
会場:セイコーハウス銀座 6階 セイコーハウス銀座ホール
開館時間:10:30-19:00 最終日は17:00まで
住所:〒104-8105 中央区銀座4丁目5-11
TEL:(03)3562-2111(代表)
URL:セイコーハウス銀座ホール

木竹工 川北良造
「欅造堤重」(21.6×23.4×高さ22.8㎝)
木竹工 川北良造 「欅造堤重」(21.6×23.4×高さ22.8㎝)
「欅で側面に挽目筋を施した3段の重箱。表面は溜塗りで仕上げ、内面は銀沃懸地(ヤスリでおろした粗い銀粉を蒔き研ぎ出す技法)で仕上げる。蓋表裏には金沃懸地にて高貴として高くもてなすの意を表す。

このたび「工芸・Kôgeiの創造-人間国宝展-」の8回目となる展覧会を開催いたします。
「人間国宝」とは「重要無形文化財保持者」の通称であり、長きにわたって工芸の技の研鑽を積む一方で、独自の作風を編み出し、その分野の第一人者となった方々です。
今回は陶芸、染織、漆芸、金工、木工芸、人形の6つの工芸分野の中から37名が出品されます。
各々の作品からは、素材の活かし方や、実際に使用した際の使い心地、美しい造形など随所に、長い制作活動で培われた作家の技術の高さとこだわりがうかがえます。自らの表現を追求し続け、それぞれの工芸分野の第一線をひた走る作家たちの珠玉の作品、100余点をぜひご高覧くださいますようご案内申し上げます。

陶芸 前田昭博
白瓷面取壺(径22×高さ27.8cm)
陶芸 前田昭博 白瓷面取壺(径22×高さ27.8cm)
白磁に面を取るのは、光と影が織りなす陰影の美しさを形態に現したい思いからです。面と面が交わるところにできるはっきりとした陰影と、球形にできる穏やかな陰影との対比をご覧いただきたいと思います。その陰影からなる形態に、しっとりとした釉薬を掛けることで、素地の持つ白さと釉の風合の温もりが溶け合います。
陶芸とは何か、白磁の表現とはどうあるべきかを問い続けながら制作することを心掛けています。
染織 鈴田滋人
木版摺更紗帯「蔦文」
染織 鈴田滋人 木版摺更紗帯「蔦文」
型の特徴である繰り返しは、単に同じ繰り返しではなく、型の繰り返しから生まれる形を新たな型として捉えることで、「型」と「形」の展開による表現の可能性を探る。
漆芸 前 史雄 
沈金平棗「躍」(径8.5×高さ6cm)
漆芸 前 史雄  沈金平棗「躍」(径8.5×高さ6cm)
翟と足とを組み合わせて、足で高くとびあがる意味を表した文字で、兎の得意とする跳ねる姿に萩と月とをとりあわせ、飛躍、躍進の図とした。
金工 大角幸枝
金口南鐐銚子「花」(7×10.3×高さ19cm)
金工 大角幸枝 金口南鐐銚子「花」(7×10.3×高さ19cm)
書と花と酒を愛した祖父は豪胆な人であった。私が5歳の時に没したが、近隣や遠来の客を家に招いてよく酒宴を催した。祖母はそれを嫌い、私に「酒飲みとだけは一緒になるな」と諭した。長じて、酒飲みとは一緒にならなかったが、酒好きは祖父に似た。
花咲か爺の祖父は年中庭を弄って花を絶やさず、人々は我家の庭を愛でて季節の変わり目を知った。春は芝生を囲う黄一色の 連翹
れんぎょう
 の垣、紅白梅、岩根の牡丹、桜に 躑躅
つつじ
 、木蓮。秋は菊、コスモス、萩に紅葉、鈴なりの柿。思い出の庭は記憶の彼方、時折、祖父の 
せん
 
 
もん
 を開いて手習いをしてみる。花を模した銀の酒器を、祖父を想いながら作ってみた。
人形 秋山信子 「幻の青いケシ」(高さ34cm)
人形 秋山信子 「幻の青いケシ」(高さ34cm)
70代半ばから90歳まで、中国の少数族を訪ねる旅に出かけていました。四川省のチベット自治区に近い山で、青いケシの花に遭遇した時の感激を人形に託しました。ヤオ族の少女で部分的に現地の刺繍をはめています。木芯桐塑・顔・手・花は紙貼、衣裳は布木目込み。

出品作家(敬称略・分野別五十音順)

陶芸伊勢﨑 淳(備前焼)
伊藤 赤水(無名異焼)
井上 萬二(白磁)
今泉今右衛門(色絵磁器)
加藤 孝造(瀬戸黒)
鈴木 藏(志野)
原 清(鉄釉陶器)
福島 善三(小石原焼)
前田 昭博(白磁)
𠮷田 美統(釉裏金彩)染織小宮 康正(江戸小紋)
鈴田 滋人(木版摺更紗)
土屋 順紀(紋紗)
二塚 長生(友禅)
村上 良子(紬織)《特別出品》志村 ふくみ(紬織)漆芸大谷 早人(蒟醤)
大西 勲(髹漆)
北村 昭斎(螺鈿)
小森 邦衞(髹漆)
前 史雄(沈金)
増村 紀一郎(髹漆)
室瀬 和美(蒔絵)
山岸 一男(沈金)
山下 義人(蒟醬)金工大角 幸枝(鍛金)
奥山 峰石(鍛金)
桂 盛仁(彫金)
玉川 宣夫(鍛金)
中川 衛(彫金)木竹工勝城 蒼鳳(竹工芸)
川北 良造(木工芸)
須田 賢司(木工芸)
藤沼 昇(竹工芸)
村山 明(木工芸)人形秋山 信子(衣裳人形)
林 駒夫(桐塑人形)

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. 第3回『山形県埋蔵文化財センター設立30周年企画展』山形県埋蔵文化財センター
  3. 2024伊丹国際クラフト展「酒器・酒盃台」市立伊丹ミュージアム
ページ上部へ戻る