名称:「巡りゆく時の中で野地美樹子 日本画展」大丸京都店
会期:2023年3月22日(水)→28日(火)
会場:6階 美術画廊 ※ 最終日は午後5時閉場
住所:〒600-8511 京都市下京区四条通高倉西入立亮西町79番地
TEL:075-211-8111
URL:大丸京都店
消えては現れ、現れては消える渦潮。鳴門での取材の折、その渦潮の姿に図らずも人生とコロナを重ね合わせたという野地氏。
もとより先など見通せない世界の様相が、ますます不透明の度を増すさなかにあって、渦潮のうねりにわが身の立ち位置を感じ、消えゆくさまにコロナ禍の終わりを願い、生きているからこそ湧きおこってはめぐる様々な感情の動きにもなぞらえ、「生きることは、葛藤の波をいくつも超えていく作業のよう」と氏は語ります。
下地にあえて様々な色を散らし、素材の持ち味をうまく引き出して表情に複雑さを持たせた画面に、白波をひたすら筆で描きこんでいく。完成へのイメージを明確に意識しながら、こつこつと筆を入れるその無我の行為は、画家の心に平穏な時間をもたらし、躍動する大きな流れとなって新たな作品世界を拓くに至りました。
これまでにも雪原、瀑布など、白の色遣い際立つ大作をものしてきた野地氏が、今年でなくては描けない、今年だから描ける、と意を決して見据えた先の、白波うねる新境地。
色彩、造形の美、臨場感を味わうはもちろんのこと、観る者自らの胸中に去来するものが何であるか―。ぜひお確かめいただくべく、ご高覧くださいませ。
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