名称:「画家と生活 川端龍子の晩年の作品から」大田区立龍子記念館
会期:2023年7月15日(土)~ 10月9日(月・祝)
開館時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)
会場:大田区立龍子記念館
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)、9月18日(月・祝)、
10月9日(月・祝)は開館し、7月18日(火)、9月19日(火)に休館)
入館料:一般:200円 中学生以下:100円
※65歳以上(要証明)、未就学児及び障がい者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
龍子公園のご案内:10:00、11:00、14:00
※上記のお時間に開門し、解説つきで30分の間ご見学いただけます。
住所:〒143-0024東京都大田区中央4-2-1
TEL:03-5777-8600
URL:大田区立龍子記念館
今年開館60年を迎えた龍子記念館の向かいには、日本画家・川端龍子(かわばた りゅうし、1885-1966)が晩年を過ごした画室と旧宅が残されています。画家は35歳の時にこの地に暮らし始め、それから80歳で亡くなるまでここで過ごしました。戦後に建て替えられ終の住処となった旧宅と、空襲の爆風に耐えた画室は、現在、龍子公園内に保存されています。大作を描くための60畳の広大な画室と、竹を特徴的に使用した旧宅、いずれもが建築好きな龍子自身の設計で、「建築はよく気持ちを理解してくれる棟梁との合作」と述べていた画家の生活への美意識が表されています。
戦後の龍子はホトトギスの同人となって、一日一句以上の句作を日課とし、俳句にも熱を入れていました。交流のあった俳人・高濱虚子を《花鳥諷詠》(1954年)に描いたのも、画家の生活と制作を考える上で重要です。また、戦後において、旅が龍子の制作の原動力となったという点に着目すると、喜寿の年にインドを旅してその印象を大画面に表現した《孫悟空》(1962年)、十和田湖の奥入瀬渓流に取材した《阿修羅の流れ(奥入瀬)》(1964年)、亡くなる前年には伊豆から眺めた富士を《伊豆の覇王樹》(1965年)に表しているのも、画家の晩年を語る上では欠かすことができない作品となっています。そして、《十一面観音》を中心に7つの画面によって構成された連作「吾が持仏堂」(1958年)では、龍子の旧宅に設けられた十一面観音菩薩を中心に3躯の仏像を納めた「持仏堂(じぶつどう)」と呼ばれる一室が描かれ、そこでの礼拝を一日の制作の始まりとしていた晩年の制作と生活そのものが作品化されているのです。このように本展では、画家と生活をテーマに、旧宅や画室に表されている生活への美意識とともに、龍子の晩年の作品群を紹介します。
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