德永葵 「なつやすみ」アートかビーフンか白厨

德永葵 「なつやすみ」アートかビーフンか白厨

名称:德永葵 「なつやすみ」アートかビーフンか白厨
会期:2023年7月5日(水)~2023年7月23日(日)
会場:アートかビーフンか白厨
開館時間:17:00 〜 23:00
休館日:月曜日、火曜日
入場料:無料
住所:〒106-0032 東京都港区六本木5-2-4
URL:アートかビーフンか白厨

myheirloomではこの度、The Chain Museum協力のもと、德永葵の2回目となる個展「なつやすみ」を開催いたします。本展では引き続き德永の目指す【漫画表現の絵画化】をテーマとして、コミック誌のフレームから飛び出してきたような単純線アイコンと、何気ない日常を下敷きとした現実世界とが入り混じる、独自の世界観を構成しております。誰もは一度は経験する「なつやすみ」独特の怠惰な雰囲気や、抜け感のある夏らしいロケーションをベースとした、少し懐かしさを感じられる展覧会となります。
作品内に登場する、極めて強い二次元性を帯びたアイコンは、德永自身の幼少期の記憶を元に描かれた現実世界(記憶の中の物語)に介入する異物のように描かれています。画中に描かれるアイコンは『キャラクター』ではなく、強調された創作物の意を持った『アイコン』であり、「漫画的な表現」の絵画進出を推し進める装置でもあります。さらに、アイコンには意志やキャラクター性を持たせないことで「誰でもなく、また誰かでもある存在」として世界から少し浮いた存在のように描かれることになります。
アイコンは、主体があるようで無いアノニマスな存在として主張せず風景に溶け込んでおり、世界と同化しているようにも見えます。アイコンは消して絵の主役でも主題でもなく、そこにはただ、いつか見たあの日の日常が広がっているだけです。「なつやすみ」と聞いて思い浮かべる情景は様々ですが、德永の描く世界はひたすらに日々の生活と地続きな現実世界であり、鑑賞者それぞれの記憶にある思い出にもそっと重なりあうような、日常的な素朴さを持ち合わせているものです。「なつやすみ」の経験はどんな人にもあり、普遍的なイメージが想像しやすいものであるがゆえに、世界観との親和性が高いことから本展のテーマとしております。是非かつての「なつやすみ」を思い出しながらご鑑賞頂ければ幸いです。
德永は今年の9月から10月にかけて、北京のHive Center for Contemporary Artにて行われる企画展「Polireality」への参加が決定しております。世界各国から注目の若手アーティストが選出される展覧会となり、今後も国際的な活躍が期待されます。そして来年春には京都市立芸術大学の修士課程を修了するため、本展が学生の立場としては最後の個展となります。修了後も引き続きmyheirloomにて活動をサポートして参りますので、ぜひご注目頂けますようお願い申し上げます。

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