名称:「Espace Virtuel」YOD TOKYO
会期:2023年9月27日(水)~2023年10月9日(月)
会場:YOD TOKYO
開館時間:11:00 〜 19:00
休館日:月曜日 10月9日は開廊
入場料:無料
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-26-35
URL:YOD TOKYO
この度YOD TOKYOでは、岩岡純子、倉敷安耶、黒宮菜菜、後藤夢乃による四人展『Espace Virtuel』を開催いたします。四名の作 家は皆、過去の名画や小説、神話などを起点としながら、それぞれ異なる技法を用い、この世の何処にも存在しない世界や物語の創出 に挑んでいる。
岩岡は自ら描いた現代の風景画の中に、印刷物となっている名画から人物や静物を切り抜いて配置するタイムリープ・シリーズを作 ってきたが、今回は実物の名画が印刷物になる時に生じる「改変」に着目したシリーズを新たに発表する。切り抜かれた印刷物と、改変 前の状態へ戻そうと描き込んだ油彩が並置された画面は、依然変わらないユーモラスな印象を生み出す。
倉敷は作品のメインテーマとして、『他者と自己との関係性』を扱っている。メディウム転写技法を用いて、誰もが目にする名画に描 かれたモチーフと、ネットで見つけた画像などの別の要素とを融合させている。作品の表面に、クラックや線の揺らぎ、層の混じり合い を生むことで、不思議な感覚に陥る画面を作り出している。
黒宮は、近現代小説や神話、考古学的資料から想起したイメージをもとに、人間の性、生死観、精神性をテーマにした作品を描く。 本展の作品は、キャンバスの淵に絵具で土手を作り、その中に画溶液や蜜蝋や油絵具を流動的に積層させるシリーズである。画中に 描かれた曖昧で幻想的なイメージは、現代と過去の境界の揺らぎを感じさせる。
後藤は、主にキリスト教以前の土着の宗教をルーツとした古代のモチーフに着想を得ながら、抽出された凄みのある色とオイル、光 の調合による魔術行為によって幻想世界を描き、神話を再創造している。従来平坦に描かれてきた宗教画などの過去の世界を単に描 写しているのではなく、確かな物質感を以て『錬成』された絵画は、現世へと越境してくる。
四名の作家が生み出す表情に富んだ画面上で、過去の記憶や創作物は、漂いながら、かすかに浮かびながら、あるいは思いもよらな い形で我々の眼前に立ち現れる。現代に膠着するでもなく、過去へと逃避するでもなく、今ここに存在する自身を確かに感じながら、彼 女たちは他者と自己、生と死、古典と現代、彼方と此方の二項が混ざり合った『異世界』を生み出す。
アーティスト
岩岡純子、倉敷安耶、黒宮菜菜、後藤夢乃
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。