「My spirit will follow you」EUKARYOTE(ユーカリオ)

「My spirit will follow you」EUKARYOTE(ユーカリオ)

名称:「My spirit will follow you」EUKARYOTE(ユーカリオ)
会期:2023年09月29日 – 2023年10月22日
会館時間:12:00 – 19:00
休廊日:月曜日
会場:EUKARYOTE
入場料:無料
デザイン:HOO VOO
住所:〒155-0001 東京都渋谷区神宮前3-41-3
TEL:080-9524-6981
URL:EUKARYOTE(ユーカリオ)

「My spirit will follow you」EUKARYOTE(ユーカリオ)
「My spirit will follow you」EUKARYOTE(ユーカリオ)

EUKARYOTEでは2023年9月29日(金)から10月22日(日)までの会期にて、サリーナー・サッタポンと磯村暖による「My spirit will follow you」を開催いたします。本展では新作で構成された各個人による作品と、コラボレーション作品を発表いたします。
サリーナーはタイ出身のビジュアルアーティストであり、タイ国立シラパコーン大学絵画・彫刻・グラフィックアート学部にて修士課程を修了後、現在は東京藝術大学グローバルアートプラクティス(GAP)の博士課程に在籍しています。これまで日常生活や自身の経験をインスピレーションとして、パフォーマンスアート、写真、ビデオアート、インスタレーションなど、さまざまな媒体を通じて作品を創作し続けています。CAF賞2022入選作品展覧会にて発表した作品「Balen(ciaga) I belong」は、人間がいかに互いに見えない存在になり得るかというアイデアを探求しており、建設現場に使われる足場や労働者階級を想起させるカラフルなプラスチックバッグを用いて、日々の営みや労働を模したアクションによるパフォーマンス・ビデオインスタレーションは、CAF賞最優秀賞を受賞したほか、同シリーズの作品はタイ王国国宝の基準を満たすとして文化省へ公式に収蔵されています。
磯村暖もまた、東京藝術大学在学時より国内外各地へ赴き、その土地の歴史や文化のあり方に関する比較とリサーチを行い、クィアカルチャーや地域の宗教、プリミティブな表現のみならず、近年は地球史における生物多様性など参照先を広げながら、絵画や彫刻、ビデオインスタレーション、パフォーマンスといった様々な表現活動を行ってきました。
展覧会のタイトル「My Spirit Will Follow You」は、サリーナーと磯村、それぞれが離れた場所から行ったオンラインでの会話から生まれました。二人の間について、サリーナーはこのように話しています。「出会って以来、私たちは良い友達ですが、別の場所にいることもよくあります。たとえ遠く離れていても、私たちはまだつながりを持っています。物理的には遠いけど、精神的には遠くない。」同じ1992年に生まれ、異なるバックグラウンドを持ちながら、2013年に磯村が訪れたタイで出会って以来の結節点について、二人とも人生におけるある時期に独りであることについて深く分析をしながら、様々な地域や文化に触れ、世界各地を巡って今に至っていることだと語りました。磯村は共有するその感覚について、「人間が一人しかいない時にこそ見える世界、感じる物質、状況、一人だから感じられる何か。社会を通して見ることができるかもしれないけど、個であることについて悲観的ではない視点から見える、豊かさや景色や感情の美しさが存在する。」と表現しています。
今回、二人のコラボレーションにあたりキーワードとして浮かび上がったのが、まさに独りでいること、「孤独」という言葉が意味する言語間におけるニュアンスの違いでした。日本語の「孤独」とは、一般的に否定的で悲観的な意味を持ちますが、人が単独でいることについて積極的に捉える「Solitude」など、微かな相違を持つ言葉が世界には存在します。元々二人の制作手法における共通点であった、「決めたルールの中で遊び、展開していく」即興的かつ論理的なメソッドによって、概念的な差異は躍動的に変化を始めました。言語からドローイングへ、また写真へ、彫刻、ピアノの音、さらに英語から俳句、料理、タイのクローンと呼ばれる詩へ…など、二人の間であらゆる様に変えてやりとりを重ね、変容してゆくニュアンスや概念の痕跡と数々のかたちを、本展では2018年から継続するサリーナー個人によるプロジェクト、「Balen(ciaga) I belong」の新作と交え、映像とインスタレーションとして発表します。
それらに加え、アーティスト各個別のプロジェクトを公開いたします。今年はじめにサリーナーが台湾で行った現地の独居者と彼らの物・場所・人との繋がりに関するインタビューを元にした新作の映像と、映像にリンクしたペインティングからなる作品群などです。サリーナーが他者の視点を通して生活を抽出し、普遍的なものへと作品化していく一方で、磯村はこれまで作品の形で言及することのなかった「孤独」のニュアンスを手がかりに、磯村自身の視点から導き出した自画像とも言える作品を立体化しました。本展ではベッドの上に横たわり、周囲にあるデジタル機器や、ホコリ、植物など、人間とは異なる生命の時間軸に共感し、無機物と有機物の垣根を超えて人間や社会と断絶しながら、それ以外のものと溶け合い繋がってゆく在り方を提示します。
また、会期中は二人によるパフォーマンスも行われます。昨年サリーナがスウェーデンで滞在制作と発表を行った作品の映像記録を元に、木製の構造物と大量の古着のTシャツから成る舞台の中で、匿名的な生活が織り交ぜられたその痕跡をサリーナーと磯村によって多層的に展開していきます。ぜひ、ご高覧いただけましたら幸いです。
作家プロフィール
サリーナー・サッタポン
1992 バンコク生まれ
2015 シラパコーン大学大学院美術研究科 卒業
2018 シラパコーン大学大学院美術研究科 修了
2023 東京藝術大学大学院グローバルアートプラクティス専攻 博士課程在籍
近年の主な個展
2021「また会う日まで」新大久保UGO, 東京
「Home sweet home」Open studio 2021 Autumn at Super Studio Kitakagaya, 大阪
近年の主なグループ展
2023 「多重交叉作用」 Treasure hill artist village, 台北
「Not everything is abstract」 Numthong art space, バンコク
「Inter-Universities student exhibition SDGs X Geidai」Ueno art gallery, 東京
「Where ever we are, it is home」 Ueno art gallery, 東京
 Art Gallery Home 21 exhibition by Charm Care Corporation, 東京
2022 Shibuya Art awards 2022 exhibition, 東京
CAF賞2022入選作品展覧会, 東京
「Ten Ten Ten」shibuya Valley, 東京
2021 Color Atami by Atami art grant at Shinkadoya, 熱海
UGO Summer exhibition at 新大久保UGO, 東京
2020「EARLY YEARS PROJECT #5 20/20 Fluidity of change」BACC, バンコク
ART FUTURE art fair Formosa Art Fair, 台北
ATTRACTIONS in Galleries’ night Bangkok 2020, バンコク
磯村暖
1992 東京都生まれ
2016 東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2017 ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校第2期卒業
近年の主な個展
2023「カ」EUKARYOTE
2020「OFF THE SIDELINE」EUKARYOTE 東京
「んがんたんぱ」銀座 蔦屋書店GINZA ATRIUM 東京
近年の主なグループ展
2022「A5」Anfang Anfang Süd bis Ende Mai /ライプツィヒ
「Ai mi Tagai London/Tokyo」White Conduit Projects /ロンドン
2021「Phantasmapolis – 2021 Asian Art Biennial」国立台湾美術館 /台湾
「紀南アートウィーク」川久ミュージアム /和歌山
2020「都市は自然」セゾン現代美術館 /長野
2019「The Middleman, the Backpacker, the Alien Species, and the Time Traveler」耿畫廊 /台北

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