名称:入江泰吉 「文楽と大和の風景」入江泰吉記念奈良市写真美術館
会期:2023年9月16日(土)〜2023年11月26日(日)
会場:入江泰吉記念奈良市写真美術館
開館時間:9:30 〜 17:00
休館日:月曜日
9月18日、10月9日は開館
9月19日、10月10日、11月24日は休館
入場料:一般 500円、大学生・高校生 200円、中学生・小学生 200円、障害者手帳提示と付き添い1名・奈良市在住の70歳以上 無料
住所:〒630-8301奈良県奈良市高畑町600-1
TEL:0742-22-9811
URL:入江泰吉記念奈良市写真美術館
奈良大和路の写真家として知られる入江泰吉ですが、戦前は文楽の写真家として活躍していました。友人の依頼で文楽の首(かしら)の撮影を頼まれたことがきっかけで、四ッ橋文楽座に通いはじめ、文楽の魅力にとりつかれたのです。そして1940年の全関西写真連盟主催の新東亜紹介・世界移動写真展で文楽を出品、一等賞を受賞、さらに翌年には毎日新聞主催の日本写真美術展で文部大臣賞を受賞するなど写真家としての地歩を固めたのです。しかしながら戦局は日々悪くなり、ついに1945年3月の大阪大空襲で自宅兼店が全焼し、命からがらふるさと奈良に引き揚げてきました。大阪時代に撮りためた多くの写真は、この時、焼失してしまいましたが、かろうじて文楽の写真だけは入江の妻・ミツヱが逃げ出すときに持ちだすことができました。
当時の文楽座は、浄瑠璃の二代目豊竹古靭太夫(豊竹山城少掾)、三味線の四代目鶴沢清六をはじめ、人形遣いの初代吉田栄三、四代目吉田文五郎、二代目桐竹紋十郎とそうそうたる名人たちが活躍していた時代でもありました。
そんな文楽の演目のなかには、大和路に伝わる神話や伝承といった話が取り入れられています。太夫の語りと三味線、三人による人形遣いの使い手によって人形に生気が放ち、人間の喜怒哀楽を見事に演じています。入江自身も何気ない人形が人形遣いによって生気が吹き込まれ、人間の内面を表現していることにいたく感動し、足しげく通いつめたのです。
奇跡的に残った入江のフィルムから、当時の古典芸能「文楽」をご覧いただくとともに、奈良にまつわる神話・伝承を知っていただければ幸いです。
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