半澤友美 「Self: multiple presents」ふじ・紙のアートミュージアム

半澤友美 「Self: multiple presents」ふじ・紙のアートミュージアム

名称:半澤友美 「Self: multiple presents」ふじ・紙のアートミュージアム
会期:2024年1月5日(金)〜2024年3月17日(日)
会場:ふじ・紙のアートミュージアム
開館時間:10:00 〜 18:00
休館日:1月15日、2月19日~22日、3月11日・12日は休館
入場料:無料
住所:〒416-0953 静岡県富士市蓼原町1750番地 富士市文化会館ロゼシアター1階
TEL:0545-32-6581
URL:ふじ・紙のアートミュージアム

半澤友美 「Self: multiple presents」ふじ・紙のアートミュージアム
半澤友美 「Self: multiple presents」ふじ・紙のアートミュージアム

数年前から、祖母とお茶をして話をするのが毎日の習慣となっています。認知症と診断された祖母との会話は、現在も過去も、夢も現実も1つの時間として混ざり、循環しているようです。揺らぎながらも、確固たる彼女を見続ける中で、その存在について考えるようになっていきました。
私は「紙」をただの支持体ではなく、それ自体が人間の物語を内包する物体として捉えています。世界中で作り、使われ続けている紙は、基本の制作方法は似ているものの、実はとても個性的で、作られた場や時間、状況によって異なる造形物なのです。その上で私は「紙=作品」を作ることが存在や自己への考察につながっています。
今回展示する作品《Self》は、水に溶いた木材パルプ(紙の原料)を大きなスポイトで1滴ずつ垂らし重ね、プレスして「紙」にした作品です。その1滴を経過した時間の中にある出来事の断片、もしくは「今」そのものを固定化したものだと考え、それらを紙にし、またその紙を重ね並べることで、さまざまな「今」を絡み合わせていきます。時間は直線上に流れるものだと捉えられがちですが、自在に遊離し、現在に重層化していくことで、 自己の形成に影響しているのではないでしょうか。今回の展示では、祖母の記憶のように、過去も未来も、夢も現も「multiple presents/ 複数の今」 として絡み広がる様子を展示します。作品として広がる「紙」により、私たち自身、人について思考を深めることに繋げられたらと思います。
2023年11月 半澤友美

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る