「武井武雄版画展」日本童画美術館(イルフ童画館)

名称:「武井武雄版画展」日本童画美術館(イルフ童画館)
会期:2024年1月20日(土)〜4月7日(日) 
会場:イルフ童画館
観覧料金:当日一般510円
休館日:水曜日(3月20日は開館)
住所:〒394-0027長野県岡谷市中央町2-2-1
TEL:0266-24-3319
URL:日本童画美術館(イルフ童画館)

刊本作品№18『聖AGNES之書』1951年( 木口木版 )
刊本作品№18『聖AGNES之書』1951年( 木口木版 )

武井武雄ほど、多種多様な版画を追求した作家はいないかもしれない。制作した版画は銅版、木版、層版、孔版などほとんどの版式を網羅している。意外に思われるかもしれないが、武井は生涯、版画に向き合い、版画を追求し、ついにはオリジナルの技法まで生み出すほど版画を研究した。
版画は同じ図柄が何枚も制作できるという特徴を持つ、いわば印刷技術の一つである。武井は、自分の童画作品が絵雑誌などに掲載される度に、思うような印刷がされないことを苦々しく感じていた。そこで印刷について研究し、その美を追求したのが刊本作品である。本の宝石と呼ばれるこの作品群の中で版画を印刷技術の一つとして様々な版式に取り組み、実験的な作品を数多く制作した。
版画技法を追求する一方で、日本における版画技法の進化もまた、武井に深く影響を与えた。洋画家・美術教育運動家の山本鼎が明治時代に確立した創作版画は、日本の版画芸術に新境地を開いた。浮世絵などの制作方法は数人で行う分業制だが、創作版画は制作の行程を全て作家本人が行うという技法で、より作家のオリジナリティが発揮される。これにより、多くの版画家たちが誕生し、武井もまた創作版画に魅了された一人となった。昭和19年には版画家・恩地孝四郎に推薦され、初山滋とともに日本版画家協会の会員となった。
本展では様々な版式の作品を紹介しながら、武井武雄の版画美術を広く紹介する。

『聖AGNES之書』版木1951年頃
『聖AGNES之書』版木1951年頃
鳥の連作№5( 木版 )1968年
鳥の連作№5( 木版 )1968年
刊本作品№20『あいそぽす・ふぁぶら』1952年( VARI-TIPE木版 )
刊本作品№20『あいそぽす・ふぁぶら』1952年( VARI-TIPE木版 )
馬乗り娘 1935年( 銅版画 )
馬乗り娘 1935年( 銅版画 )

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