「時の結晶 仏教美術-上原コレクションの40年」上原美術館
名称:「時の結晶 仏教美術-上原コレクションの40年」上原美術館
会期:2024年1月20日(土)~2024年4月14日(日)
会場:上原美術館
展示室:仏教館
時間:9:30~16:30 (最終入場時間 16:00)
休館日:会期中無休
観覧料:一般 1,000円
学生 500円
高校生以下 無料
※団体10名以上10%割引
※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります
住所:〒413-0715静岡県下田市宇土金341
TEL:0558-28-1228
URL:上原美術館
仏教美術は、仏教を核に、風土と文化、祈りが長い時をかけて生み出した、美の結晶です。一方、星の数ほど存在するモノの中から選び抜かれたコレクションも、独自の美意識の結晶といえるでしょう。本展は、上原コレクションの名品を通じて、上原美術館の40年に渡る収集の軌跡を振り返るものです。
上原美術館の前身、上原仏教美術館が初めて収蔵した古美術は、平成元(1989)年収蔵の、十一面観音像でした。本像は今から千年以上前に造像された古像。しっかりとした鼻筋と、目尻の上がった目は、どこか異国的で、若々しく強い意志を感じさせる顔立ちです。
その後、同館は、村上華岳や平山郁夫の作品を相次いで収蔵しましたが、平成12(2000)年に上原近代美術館が開館すると、近代美術館との差別化の点から、再び古美術が見直されます。転機となったのは、平成19(2007)年収蔵の中尊寺経でした。これを機に、同館では古写経の収集を開始し、奈良時代の天平写経や、神護寺経、荒川経など平安時代の装飾経を相次いで収蔵。古写経収集は、同館の収集の一つの柱となりました。平基親願経は同館の古写経コレクションの白眉で、紺地を背景に美麗に彩色された童子が舞う扉絵が美しい作品です。
仏像の収集も継続中です。左写真の鎌倉時代の阿弥陀如来像は、同館の古仏像コレクション第2号。その後も平安時代の薬師如来像、二天像などを収蔵しましたが、制作年代が確定できる仏像が少ない中で、奇しくも同じ文永7(1270)年に造像された阿弥陀如来像と大日如来像を収蔵できたのは、収穫でした。
近年の上原美術館は、古い絵画作品も収蔵しています。「諸尊図像集断簡」は、本年度新収蔵作品。鎌倉時代の密教図像集の、不動明王に従う八大童子を描いた部分の断簡です。鎌倉時代に北条実時が設立した金沢文庫伝来の貴重な作品で、梅原龍三郎の旧蔵品でもあります。上原美術館の40年に渡る収集の「結晶」を是非ご覧ください。
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