名称:開館30周年記念「若江漢字《地中海 ― I・始まり》」カスヤの森現代美術館
会期:2024年 6月6日[木]- 8月18日[日]
10:00-17:30(入館は17:00まで)
毎週:月・火・水曜休館
入館料:一般800円、学生600円(小学生400円)
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団
住所:〒238-0032神奈川県横須賀市平作7-12-13
TEL:046-852-3030
URL:カスヤの森現代美術館
本展では、若江漢字がこれまで繰り返しモチーフとして作品化してきた宗教の問題について、未発表のインスタレーションを中心に展覧会を構成します。人に寄り添い歴史のあらゆる局面に現れ、その流れに影響をもたらす。その「宗教」とは何か?。人が創造し人によって今日まで伝えられてきたその源泉を作品を通してたどります。
地中海- I・始まり
今回展示するインスタレーションはそのスタートが1988年で、 長い時間をかけてようやく2022年に完成したです。 ドイツにアトリエを借りていた頃にスタートし帰国後も続け、 部品となるオブジェを探すのに苦労した作品です。
ドイツでは毎週末どこかの町で開かれているノミの市に出かけてはお目当のオブジェを捜す日が続き、 それでも思うようには集まらず完成するまで30年もかかってしまいました。最近ではインターネットのお陰で実に簡単にどこの国からでも必要な品々を手に入れられるようになり、 その成果として今日の展示となったわけです。
かねてから宗教問題が気になっていて、 信仰をテーマとした作品を今も数点手がけています。
今回展示する作品は、キリスト教の始まり、 その出現の地である地中海を主題に制作したインスタレーション 《地中海- I・始まり》 と言う作品です。 西欧では“マリアの子宮から地中海文明は生まれた” との言葉が使われますが、遠くヘブライキリスト教文明とグレコローマン文明が地中海で出会い、融合して地中海文明が誕生し、 その地中海を囲む諸国からの知的遺産であるギリシャの哲学や、 民主主義、ローマの軍事土木技術、一神教の覇権、 中世の医学と神学 近代の科学文明や資本主義など、今の我々の生活と直結する社会制度の始まりが地中海からのものであり、改めて地中海とは何か? 信仰とは?を問い再考するきっかけとなればと制作した作品です。
2024年 若江漢字
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