名称:令和6年度 第2回企画展「龍―日常にとけこむ神秘―」国立公文書館
会期:2024年10月19日(土)~2024年12月15日(日)
会場:国立公文書館
時間:9:15~17:00
休館日:11月10日(日)・18日(月)
観覧料:無料
住所:〒102-0091東京都千代田区北の丸公園3-2
TEL:03-3214-0621
URL:国立公文書館
令和6年(2024)の干支は辰です。「動物」としては龍が充てられています。龍は、想像上の存在であるにもかかわらず、日本文化に深く浸透し、多くの人が、その姿をイメージできる不思議な「生き物」です。本展では、辞典類での龍の解説や、物語や逸話に登場する龍、龍にあやかり名付けられたものなどを、国立公文書館の所蔵資料から紹介します。
主な展示資料
説文解字(せつもんかいじ)
後漢の学者許慎(きょしん)著による、中国の現存する最古の漢字字書です。画像は、「龍」の説明箇所。それによると、「龍」は鱗(うろこ)のある動物の「長」であり、春分に天に登り秋分に淵に潜むなどと記されています。展示資料は文政9年(1826)に印刷・刊行されたもので、昌平坂学問所旧蔵書です。
源平盛衰記(げんぺいじょうすいき)
「治承・寿永の内乱(いわゆる源平合戦)」を中心に、説話を織り交ぜながら平家滅亡に至る歴史を紡いだ軍記物語。 壇ノ浦の戦いで海に沈んだ宝剣をめぐる段では、宝剣がヤマタノオロチの体から取り出されたものであることが語られます。文では「大蛇(をろち)」の字を充てられたヤマタノオロチですが、挿絵では龍によく似た姿をしています。ここでは、「蛇」と「龍」が同一視されていた様が伺えます。 展示資料は延宝8年(1680)に刊行されたもので、昌平坂学問所旧蔵書です。
阿蘭陀本草和解(おらんだほんぞうわげ)
【重要文化財】
8代将軍徳川吉宗の命を受けた、幕府医官で本草家である野呂元丈(のろげんじょう)が、ヨンストン著述の『動物図説』及びドドネウスによる植物百科事典『草木誌』のオランダ語版を、寛保元年(1741)3月から寛延3年(1750)3月までの10年の年月を費やして抄訳したもの。自然のなかに薬効を求めた生薬(しょうやく)には「龍」を冠する名を付けられたものもあります。画像は、龍脳樹(りゅうのうじゅ)という木の樹脂の結晶である「龍脳(りゅうのう)」について説明した箇所です。「専ラ目薬ノ用ニ入」と、専ら目薬(目の薬)として用いられたとあります。展示資料は紅葉山文庫旧蔵書で、平成11年(1999)に重要文化財に指定されました。
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