特別展「〈若きポーランド〉—色彩と魂の詩 1890-1918」京都国立近代美術館

特別展「〈若きポーランド〉—色彩と魂の詩 1890-1918」京都国立近代美術館

名称:特別展「〈若きポーランド〉—色彩と魂の詩 1890-1918」京都国立近代美術館
会期:2025年3月25日(火)-6月29日(日)
会場:京都国立近代美術館
主催:京都国立近代美術館、クラクフ国立博物館、NHK京都放送局、NHKエンタープライズ近畿、京都新聞
名誉後援:ポーランド共和国文化・国家遺産大臣
後援:ポーランド共和国外務省
協力:ポーランド広報文化センター
制作協力:NHKプロモーション
住所:〒606-8344京都府 京都市左京区岡崎円勝寺町
TEL:075-761-4111
URL:京都国立近代美術館

ヤン・マテイコ《1683年、ウィーンでの対トルコ軍勝利伝達の教皇宛書簡を使者デンホフに手渡すヤン3世ソビェスキ》
1880年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵
ヤン・マテイコ《1683年、ウィーンでの対トルコ軍勝利伝達の教皇宛書簡を使者デンホフに手渡すヤン3世ソビェスキ》 1880年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵

ポーランドの国民的作曲家フリデリク・ショパンが、祖国を離れた後、最終的にパリで生涯を過ごすことになったのは、1830年にワルシャワでおこった十一月蜂起と、翌年のその失敗が遠因でした。1795年にポーランドは、国土をロシア、プロイセン、オーストリアに分割占領され、世界地図からその姿を消すことになります。これ以後、祖国の独立を求める蜂起や反乱が繰り返されますが、その実現は1918年の第一世界大戦終結を待たなければなりませんでした。この123年間、国を失った人々が自らのアイデンティティの拠り所としたのが、文学や音楽そして絵画などの芸術であり、言語や宗教を含む広義の文化でした。そしてその中心地として重要な役割を果たしたのが、古都クラクフです。
19世紀後半、ポーランドの歴史や文化的逸話を大きなスケールで描き名声を博したのがヤン・マテイコです。クラクフ美術学校教授を務めた彼のもとからは、数多くの若き芸術家たちが巣立ちます。彼らは、祖国の独立を願いつつ、そこに自らの個人としての心情を結びつけ、象徴性に富み色彩豊かな独自の芸術を、絵画のみならず応用芸術や文学をも含む広い分野で展開しました。〈若きポーランド〉と呼ばれた彼らは、印象派など当時西欧で新しく生まれた芸術の動向を貪欲に吸収し、浮世絵を主とする日本美術を参照する傍ら、地方に残る伝統文化を発見・再解釈しながら、ポーランドの国民芸術の在るべき姿を模索しました。本展では、ヤン・マテイコを前史とし、〈若きポーランド〉が生み出した芸術を包括的に、日本で初めて紹介します。
本展は、クラクフ国立博物館の全面的な協力のもと、ポーランド文化・国家遺産省からの助成を得て開催されます。クラクフ国立博物館を筆頭に、ワルシャワを含む複数の国立博物館さらには多くの個人所蔵家から招来した、マテイコそして〈若きポーランド〉の数多くの代表的絵画作品ならびに版画、家具やテキスタイルなどの工芸品を含む約130点によって、前世紀転換期に花開いたポーランド美術の真髄をご覧いただきます。

ヤツェク・マルチェフスキ《画家の霊感》1897年 油彩/カンヴァス クラクフ 国立博物館蔵
ヤツェク・マルチェフスキ《画家の霊感》1897年 油彩/カンヴァス クラクフ 国立博物館蔵
ユリアン・ファワト《冬景色》1915年 油彩/カンヴァスクラクフ国立博物館蔵
ユリアン・ファワト《冬景色》1915年 油彩/カンヴァスクラクフ国立博物館蔵
スタニスワフ・ヴィスピャンスキ《夜明けのプランティ公園、クラクフ(ヴァヴェル城を臨むプランティ公園)》
1894年 油彩/カンヴァス 個人蔵(クラクフ国立博物館寄託)
スタニスワフ・ヴィスピャンスキ《夜明けのプランティ公園、クラクフ(ヴァヴェル城を臨むプランティ公園)》 1894年 油彩/カンヴァス 個人蔵(クラクフ国立博物館寄託)
「日本の屏風の前で三味線を持つフェリクス・ヤシェンスキ」1903-05年 写真 クラクフ国立博物館蔵
「日本の屏風の前で三味線を持つフェリクス・ヤシェンスキ」1903-05年 写真 クラクフ国立博物館蔵
ヤツェク・マルチェフスキ《フェリクス・ヤシェンスキの肖像》1903年 油彩/板 クラクフ国立博物館蔵
ヤツェク・マルチェフスキ《フェリクス・ヤシェンスキの肖像》1903年 油彩/板 クラクフ国立博物館蔵
レオン・ヴィチュウコフスキ《日本女性》1897年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵
レオン・ヴィチュウコフスキ《日本女性》1897年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵
ヴワディスワフ・シレヴィンスキ《髪を梳く女》1897年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵
ヴワディスワフ・シレヴィンスキ《髪を梳く女》1897年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵
オルガ・ボズナンスカ《菊を抱く少女》1894年 油彩/厚紙 クラクフ国立博物館蔵
オルガ・ボズナンスカ《菊を抱く少女》1894年 油彩/厚紙 クラクフ国立博物館蔵
ヴウォジミェシュ・テトマイェル《芸術家の家族》1905年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵
ヴウォジミェシュ・テトマイェル《芸術家の家族》1905年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵
スタニスワフ・ヴィスピャンスキ[デザイン]ザヨンチェク&ランコシュ、ケンティ[布地製作] ヘレナ・チェレムガ[刺繍]
《ゼラニウム模様の刺繍があるペルメット》1904年頃 ウール クラクフ国立博物館蔵
スタニスワフ・ヴィスピャンスキ[デザイン]ザヨンチェク&ランコシュ、ケンティ[布地製作] ヘレナ・チェレムガ[刺繍] 《ゼラニウム模様の刺繍があるペルメット》1904年頃 ウール クラクフ国立博物館蔵
テオドル・アクセントヴィチ《ヨルダンの祝祭》1895年 油彩/カンヴァス ワルシャワ国立博物館蔵
テオドル・アクセントヴィチ《ヨルダンの祝祭》1895年 油彩/カンヴァス ワルシャワ国立博物館蔵
スタニスワフ・ヴィスピャンスキ[デザイン] アンジェイ・シドル[製作]《椅子》
1904-05年 クルミ材 クラクフ国立博物館蔵
スタニスワフ・ヴィスピャンスキ[デザイン] アンジェイ・シドル[製作]《椅子》 1904-05年 クルミ材 クラクフ国立博物館蔵
ヤツェク・マルチェフスキ《ピューティアー》1917年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵
ヤツェク・マルチェフスキ《ピューティアー》1917年 油彩/カンヴァス クラクフ国立博物館蔵

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