浜口陽三「海を越えて」武蔵野市立吉祥寺美術館

永沢まこと《マンハッタン・サンセット》1989年

名称:浜口陽三「海を越えて」武蔵野市立吉祥寺美術館
会期:2025年3月6日(木曜)~2025年6月1日(日曜)
会場:武蔵野市立吉祥寺美術館
開館時間:10:00 〜 19:30
休館日:2025年3月26日(水曜)~4月11日(金曜)、4月30日(水曜)、5月28日(水曜)
入場料:一般 100円、小学生以下・65歳以上・障害者手帳提示 無料
住所:〒180-0004東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目8番16号 FFビル7階
TEL:0422-22-0385
URL:武蔵野市立吉祥寺美術館

浜口陽三《カリフォルニア・チェリー》1987年
浜口陽三《カリフォルニア・チェリー》1987年

1981年10月、浜口陽三は40年間住み慣れたパリを離れて、サンフランシスコへと移住します。70歳を超えて海を渡るという浜口に、周囲は皆驚いたといいます。しかも、当時アメリカでは、浜口特有のメゾチントという技法があまり普及していなかったこともあり、刷師をみつけること自体が困難な状況でした。サンフランシスコでは、満足のいく状態に刷れるまでに5年かかったと浜口は回想しています。本展では、そのなかでも、1982年の北カリフォルニア版画大賞展にてグランプリを受賞した《西瓜》(1981年)をはじめ、1980年代に制作された作品を中心にご紹介します。
同じ頃、1978年から8年間をニューヨークで過ごした、ひとりのイラストレーターがいました。アニメーターとして活躍後、40歳を過ぎて東京を飛び出した、永沢まこと<1936-2022>。多様な人種であふれる大都会で、永沢の心を捉えたのは、繁華街や地下鉄などで出会ったニューヨーカーたち。特有の軽快なスケッチ・スタイルで描いた街の景観からも、都会の喧騒やそこに生きる人々の息づかいが伝わって来ます。永沢が画面に留めた風景を通して、当時のニューヨークの姿を、40年後の現在、わたしたちは垣間見ることができるのです。
冬のパリの陰鬱さを厭うたという、浜口は「(アメリカには)ヨーロッパにはない伸びやかさ、解放感がある」と述べています。永沢のペンスケッチから生み出された作品からも、大都会ならではの自由で軽やかな雰囲気が漂います。今回は、1980年代に同じ異国に身を置いたふたりそれぞれの魅力をお楽しみいただきます。
引用は『浜口陽三著述集 パリと私』(2002年、玲風書房)より

永沢まこと《マンハッタン・サンセット》1989年
永沢まこと《マンハッタン・サンセット》1989年

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