「再考《少女と白鳥》 第1期 贋作を持つ美術館で贋作について考える」高知県立美術館

  • 2025/8/12
  • 「再考《少女と白鳥》 第1期 贋作を持つ美術館で贋作について考える」高知県立美術館 はコメントを受け付けていません
「再考《少女と白鳥》 第1期 贋作を持つ美術館で贋作について考える」高知県立美術館

名称:「再考《少女と白鳥》 第1期 贋作を持つ美術館で贋作について考える」高知県立美術館
会期:2025年9月13日(土)〜2025年10月19日(日)
会場:高知県立美術館
開館時間:9:00 〜 17:00
   10月4日は19:00まで
休館日:9月26日~10月3日は休館
入場料:一般 400円、大学生 280円、高校生以下 無料
住所:〒781-8123高知県高知市高須353-2
TEL:088-866-8000
URL:高知県立美術館

2024年、高知県立美術館がドイツ人画家ハインリヒ・カンペンドンクの油彩画として所蔵する《少女と白鳥》に贋作疑惑が浮上しました。当館は、京都大学准教授・田口かおり氏と協力して本作の科学分析調査を行い、来歴や証拠資料なども含めて総合的に検討した結果、この作品が贋作であるとの結論に至りました。
本展では、《少女と白鳥》を公開し、購入・収蔵の経緯や実施した科学分析の内容もあわせて紹介することで、様々な角度から本作について「再考」します。科学的な手法で美術品の技法材料を明らかにすることは、真贋鑑定に資するだけでなく、従来的な鑑賞とは異なる視点から作品と向き合うことにもつながるはずです。
昨今も相次ぐ贋作発覚のニュースは、世界各地の学芸員や美術史家、画商、コレクター、鑑定機関を悩ませ続けています。当然ながら、恣意的な贋作の制作と流通は犯罪であり、作品の所蔵者だけでなく、作者とされていたアーティストの名誉をも深く傷つけます。しかし、専⾨家の眼をかいくぐって歴史の表舞台に登場してしまった贋作の物語は、人々の関心を引いてやみません。さらに、1996年に購⼊してから事件が発覚するまでの28 年間、皮肉にも《少⼥と白鳥》が人々に「カンペンドンクの作品」として親しまれてきたことも事実です。
芸術の価値とは果たしてどのようなものなのか、作品を「真作」⾜らしめる要素をいかに定義しうるのか、そして美術館は真贋をめぐる問題にいかに対峙すべきなのか──。贋作を収蔵してしまった美術館として、今後同じ過ちを繰り返さないためにも、本展を通して芸術分野における「贋作/偽物と真作/本物」をめぐる諸問題に光をあて、議論の場を生み出すことを目指します。
高知県民の皆さまはもちろん、事件の報道をきっかけに《少女と白鳥》を知った多くの方々にも、この機会にご来場いただければ幸いです。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 山田和 個展「得体の知れないエネルギー、カオスの時代―桃山サンバ」桃青京都ギャラリー
  2. 「昭和のホーロー看板展」アドミュージアム東京
  3. 「第27回市民作品展」天童市美術館
ページ上部へ戻る