漫画家生活30周年「こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」熊本市現代美術館

漫画家生活30周年「こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」熊本市現代美術館

名称:漫画家生活30周年「こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」熊本市現代美術館
会期:2026年1月4日(日)~2026年3月8日(日)
会場:熊本市現代美術館
開館時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)
休館日:火曜日
入場料:一般1,300円(1,100円)、シニア[65歳以上]1,000円(800円)、学生800円(600円)、中学生以下無料
住所:〒860-0845 熊本県熊本市中央区上通町2-3
TEL:096-278-7500
URL:熊本市現代美術館

《ぴっぴら帳(ノート)》口絵、2004年 ©︎こうの史代/コアミックス
《ぴっぴら帳(ノート)》口絵、2004年 ©︎こうの史代/コアミックス

概要:
「漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり」は、日本を代表する漫画家・こうの史代の画業30周年を記念する大規模な回顧展である。デビュー前のイラストから近年の代表作まで、500点を超える漫画原画、下書き、メモなどの貴重な資料を通して、彼女の創作の軌跡をたどる。

《夕凪の街 桜の国》カバーイラスト、2004年 ©︎こうの史代/コアミックス 《夕凪の街 桜の国》
《夕凪の街 桜の国》カバーイラスト、2004年 ©︎こうの史代/コアミックス 《夕凪の街 桜の国》
《この世界の片隅に》2007年 ©︎こうの史代/コアミックス 《この世界の片隅に》
《この世界の片隅に》2007年 ©︎こうの史代/コアミックス 《この世界の片隅に》

こうの史代は、アシスタントを持たず、すべての原稿を自らの手で描き上げる孤高の作家である。その繊細で温かみのある線描と独自の構図感覚は、一枚の絵画のような完成度を誇り、同時に人間の感情や日常の機微を優しく照らす。本展では、代表作『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』『ぼおるぺん古事記』などを中心に、作品ごとの表現の深化と技法的挑戦が紹介される。

《ギガタウン 漫符図譜》 2016年 ©︎こうの史代/朝日新聞出版 《ギガタウン 漫符図譜》
《ギガタウン 漫符図譜》 2016年 ©︎こうの史代/朝日新聞出版 《ギガタウン 漫符図譜》

熊本市現代美術館は開館当初から「漫画」を現代アートの一領域として積極的に取り上げてきた。本展はその理念を象徴する企画であり、「マンガ県くまもと」としての文化的地盤を活かしたものとなっている。会期中には、こうの史代本人によるトークイベント、ライブペインティング、ワークショップ、ギャラリーツアーなど多彩な関連プログラムも開催され、観覧者が作家と作品世界により深く触れる機会が提供される。

《ぼおるぺん古事記》1巻天の巻 表紙、2012年 ©︎こうの史代/平凡社
《ぼおるぺん古事記》1巻天の巻 表紙、2012年 ©︎こうの史代/平凡社
WEEKLY漫画アクション新人賞募集イラスト、1992年 ©こうの史代
WEEKLY漫画アクション新人賞募集イラスト、1992年 ©こうの史代
《街角花だより》1995年 ©︎こうの史代/コアミックス
《街角花だより》1995年 ©︎こうの史代/コアミックス
《長い道》2001年 ©︎こうの史代/コアミックス
《長い道》2001年 ©︎こうの史代/コアミックス

作家略歴:
こうの史代(こうの・ふみよ)は1968年広島県生まれ。1995年『街角花だより』で漫画家デビュー。代表作『夕凪の街 桜の国』で第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞、戦争の記憶を繊細な日常描写で描いたことで高い評価を得た。続く『この世界の片隅に』は映画化され、国内外で大きな反響を呼んだ。その後も『ぼおるぺん古事記』『日の鳥』『長い道』など、神話から日常生活まで幅広いテーマを描き続けている。近年は日本文化や人間の営みを静かに見つめる詩的な視点で、漫画表現の可能性を拡張している。

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