「山本一雄 小さな部屋から」奈義町現代美術館

  • 2025/11/30
  • 「山本一雄 小さな部屋から」奈義町現代美術館 はコメントを受け付けていません
《無題》2016 91×73cm 油彩・キャンバス

名称:「山本一雄 小さな部屋から」奈義町現代美術館
会期:2025年12月13日(土)ー2026年3月1日
場所:奈義町現代美術館 ギャラリー
料金:一般・大学生 700円(500円)
   高校生 500円(350円)
   中学・小学生 300円(200円)
   ※( )内は20名以上の団体料金 
主催:奈義町現代美術館
住所:〒708-1323 岡山県勝田郡奈義町豊沢441
TEL:0868-36-5811
URL:奈義町現代美術館

《里路》2023 116.7×91cm 油彩・キャンバス
《里路》2023 116.7×91cm 油彩・キャンバス

奈義町現代美術館は企画展『山本一雄 小さな部屋から』を開催します。
山本一雄(1936-)は岡山県瀬戸内市にある長島愛生園で暮らしながら、89歳になる現在も毎日自身の表現と向き合いながら絵を描く画家です。
小学生の頃から絵を描くことに親しんでいた山本が本格的に油彩画を始めるのは、就職する年齢になってからのことです。その後独学で油彩画を学び、自分の作品が社会の中でどのように評価されるのか、それを知りたいという思いから、40代に入ってから公募展に出品するようになります。特に岡山県美術展覧会(以下県展)においては、そこに出品することが毎年の描く目標となり、現在も県展に向けて新作を描き続けています。
長島愛生園は、日本に初めてできた国立ハンセン病療養所となります。山本は故郷や家族と離れ、30代で入所します。今ではハンセン病は完治しているにも関わらず、山本は、今でも長島愛生園で暮らしながら、絵を描いています。
その暮らしの中で描かれる作品には、長島の海や、望郷の想いが込められた山々の作品などが多くあります。近年ではこれまで描いてきた作品の中のいくつものモチーフを断片的に取り出し、それらが混在したような作品を描いています。面相筆という細い筆で塗り重ねられた作品には、圧倒的な時間が凝縮されているだけでなく、恣意的に選ばれたものではあるものの、山本の暮らしてきた時間と密接に関わったモチーフが混在することで、積み上げられたはずの色による時間が解体され、混ざり合い、溶け合うような不思議な時間世界に鑑賞者を誘います。
何かを表現するとき、その原動力となるものは喜びなどのポジティブな感情だけではありません。悲しいや寂しいという感情が、絵画の中に込められた場合、それらはどのような形や色をして、絵画世界に表現されるのでしょうか?山本は描く理由を「楽しいから描いている。それだけ」と話しますし、それ以上のことは話しません。私たち鑑賞者は、山本が繰り返し描くモチーフや、繰り返し塗り重ねる色に、どのような感情を呼び起こされるでしょうか?山本が繰り返し描かなければならなかった絵画には、私たちが暮らしの中で、知らなければならないこと、見つめなければならない大事な何かが込められているように感じます。本展が、画家・山本一雄が描く作品世界の「美しさ」を感じていただくと同時に、その先にある「大事な何か」について考えるきっかけになればと思います。

《巡礼》2021 116.7×91cm 油彩・キャンバス
《巡礼》2021 116.7×91cm 油彩・キャンバス
《ひまわり》2021 116.7×72.7cm 油彩・キャンバス
《ひまわり》2021 116.7×72.7cm 油彩・キャンバス
《残雪》1987 91×116.7cm 油彩・キャンバス
《残雪》1987 91×116.7cm 油彩・キャンバス
《水辺の民家》制作年不詳 72×116cm 油彩・キャンバス
《水辺の民家》制作年不詳 72×116cm 油彩・キャンバス
コスモスの里》2001 116.7×116.7cm 油彩・キャンバス
《無題》2016 91×73cm 油彩・キャンバス
《無題》2016 91×73cm 油彩・キャンバス

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 山田和 個展「得体の知れないエネルギー、カオスの時代―桃山サンバ」桃青京都ギャラリー
  2. 「昭和のホーロー看板展」アドミュージアム東京
  3. 「第27回市民作品展」天童市美術館
ページ上部へ戻る