名称:「音楽家・松平頼則とその時代 -時代を切りひらいた巨匠(マエストロ)の軌跡-」茨城県立歴史館
会期:2023年10月28日(土)~12月17日(日)
住所:〒310-0034茨城県水戸市緑町2-1-15
TEL:029-225-4425
URL:茨城県立歴史館
旧石岡(常陸府中)藩主の府中松平家に生まれた松平頼則(まつだいらよりつね)[1907-2001]は、日本の現代音楽の創始者と称される世界的な作曲家です。
多くの国際的な賞を受賞し、日本人として初めてヨーロッパの音楽祭の国際審査員に選ばれるなど、日本の伝統音楽を西洋音楽の技法で表現したその音楽は、国際的に高い評価を受けています。特に、代表曲「盤渉調越天楽(ばんしきちょうえてんらく)によるピアノと管弦楽のための主題と変奏」(1951)は、ヘルベルト・フォン・カラヤンがその生涯で指揮棒を振った、ただ一人の日本人作曲家の作品としても知られています。音楽界での長年にわたる功績が認められ、平成8年(1996)に文化功労者に選ばれました。
頼則が生きた20世紀の日本は、2度の世界大戦を経験し、社会制度も大きく変化した激動の時代でした。旧藩主、そして華族(子爵)の家柄であった府中松平家も、経済恐慌や戦争などの影響を受け、いく度かの浮沈を経験しています。日本を代表する鳥類学の研究者、鳥類標本の収集家でもあった頼則の父頼孝(よりなり)の事蹟もふくめ、同家の歴史は、近世から近代にかけての日本の歴史や文化をひもとく上で、貴重な手がかりを与えてくれます。しかし、その資料の多くが、実は時代の変遷の中で散逸しています。
当館では、令和元年(2019)より、外部研究者の協力を得て、松平家に残された頼則関係資料の保全・調査・整理を進めてきました。本展では、その貴重な資料を中心に、20世紀という激動の歴史をふり返りつつ、世界に挑戦つづけた音楽家・松平頼則の軌跡を紹介していきます。
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