名称:「ボクのスタジオ ―植田正治の砂丘―」植田正治写真美術館
会期:2021年7月17日(土)― 11月29日(月)
開館時間:午前10時から午後5時(入館は閉館30分前まで)
休館日:火曜日(祝日の場合は翌日)ただし、8月10日は開館します。
会場:植田正治写真美術館
入館料:一般1,000円(900円) 高校・大学生500円(400円) 小・中学生300円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金です
※障害のある方とその付き添いの方(1名まで)は半額となります
※いずれも証明できるものをご持参ください
主催:伯耆町/植田正治写真美術館
住所:〒689-4107 鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
tel.0859-39-8000
URL:植田正治写真美術館
「砂丘は巨大なホリゾントだ。」———これは植田正治が生前、しばしば口にしていた言葉です。ホリゾントは、スタジオ撮影でプロのカメラマンが使用する背景のことを指します。戦前から植田は、近所の弓ヶ浜で、また戦後間もなく鳥取砂丘で後に代表作となる作品の数々を撮影し、その後もたびたび砂浜や砂丘で撮影を重ねています。海や空や雲と同様に、この「巨大なホリゾント」は植田の写真にとって重要な要素であり、同時に、自由に表現や空想の羽を広げ、羽ばたくことのできた貴重な「場」、まさに「ボクのスタジオ」であったのでしょう。
この“スタジオ”を舞台にした植田の演出写真が注目されたのは、1949年に弓ヶ浜で撮影された一連の家族写真であり、それに続く鳥取砂丘での群像演出写真でした。その後、リアリズム写真の台頭により、全く別の表現の模索を続け、1980年代はじめ、ファッション写真のジャンルで、再び「天然のスタジオ」鳥取砂丘で演出写真を展開するのです。それぞれに全く異なる意図で撮影された写真ですが、植田の個性と遊び心に満ちた植田らしい作品の数々です。非日常的な空間、遠近感の喪失など、この“スタジオ”でしか創作できないイメージの特質が植田のスタイルの個性を際立たせていると言っても過言ではないでしょう。
今回の展覧会では、あらためて植田の「砂丘」や「砂浜」に注目し、代表作を中心に、1950年代に多く見られる「砂丘」の表情や造形に着目した作品、さらにはシリーズ〈小さい伝記〉や〈風景の光景〉の中にも登場する「砂浜」もあわせて紹介します。時代や表現意図も異なる様々な作品を通して、植田にとっての「砂丘」や「砂浜」の意味をあらためて考える良い機会となることでしょう。
【主な出品作品】
・妻のいる砂丘風景(Ⅲ)1950年頃 ・ 砂丘人物 1950年頃
・シリーズ〈小さい伝記〉より 1974-85年
・シリーズ〈風景の光景〉より 1979-83年
・シリーズ〈砂丘モード〉より 1983-89年
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