
名称:「加藤子華 書の世界 -書の美を求めて-」パラミタミュージアム
会期:2025年5月31日(土)〜7月21日(月)
会場:パラミタミュージアム
開館時間:9:30 〜 17:30
観覧料金:一般1,000円ほか
休館日:会期中無休
住所:〒510-1245三重県三重郡菰野町大羽根園松ケ枝町21-6
TEL:059-391-1088
URL:パラミタミュージアム

日展第五科「書」の会員として、日本書壇を優に半世紀を超えて牽引してきた加藤子華(1938~、三重県四日市市生)の米寿を記念する展覧会を開催。中国の書法には、東晋の王羲之を宗とし、行草書の柔媚さをもっぱらとする帖学派と、北魏などの古代碑の石刻文字がもつ堅固な構造力と質実感に、書法の原点を認める碑学派に分類する考えがある。子華の作品のあり方には、とことん書技の妙絶を尽くす一方、筆脈をつとめて抑え、筆圧を加え続けて、書技をそぎ落としたかのごときものもある。つまり前者は帖学に準じたものであり、後者には碑学の精神が潜在しているのだ。この帖学と碑学の建前を自在に使い分ける帖碑兼備の書法精神こそが、子華の世界であるといえる。書道は流儀を伝承することを定めとする一方で、芸術であるからには独立した個性が確立されなくてはならない。流儀か個性かの矛盾への向き合い方はたやすいものでなく、子華の書には、明確にその克服があり、独自の追求がある。今回展示する作品は、大小にかかわらず、それぞれに子華ならではの表現性が発揮されている。この機会に、その多岐にわたる書技と境懐の到達を楽しんでほしい。
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