「生誕120周年 坪内節太郎/没後130周年 牧野伊三郎 所蔵品展」岐阜県美術館

「生誕120周年 坪内節太郎/没後130周年 牧野伊三郎 所蔵品展」岐阜県美術館

名称:「生誕120周年 坪内節太郎/没後130周年 牧野伊三郎 所蔵品展」岐阜県美術館
会期:2025年11月5日(水)~2026年3月29日(日)
会場:岐阜県美術館 展示室1
開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)※11月21日(金)、12月19日(金)、2026年1月16日(金)、3月20日(金)は20:00まで夜間開館
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(2025年12月26日~2026年1月5日)
入場料:一般340円(280円)、大学生220円(160円)、高校生以下無料 ※( )内は20名以上の団体料金、障がい者手帳・難病受給者証提示者および付き添い1名は無料
住所:〒500-8368 岐阜県岐阜市宇佐4-1-22
TEL:058-271-1313
URL:岐阜県美術館

概要:
岐阜県美術館では、岐阜ゆかりの二人の洋画家を紹介する特別展「生誕120周年 坪内節太郎/没後130周年 牧野伊三郎 所蔵品展」を開催する。坪内節太郎(1905–1979)は各務原市出身で、春陽会において中川一政や河野通勢に学び、木村荘八らと交友を深めた。初期は油彩画を中心に制作したが、戦後は行動美術会に発表の場を移し、次第に墨彩画へ傾倒。油彩と水墨を融合させた独自の画風を築き上げた。今回は、生誕120周年を記念し、岐阜県美術館の所蔵品から油彩・水墨・素描作品を一堂に展示し、詩情と静寂を併せ持つ坪内芸術の全貌を辿る。

一方、牧野伊三郎(1870–1895)は中津川市出身の早逝の洋画家である。18歳で上京し、画塾不同舎で小山正太郎に師事、中村不折や岡精一らとともに学んだ。明治美術会通常会員として将来を嘱望されながらも、病によりわずか24歳で没した。彼の作品は、明治洋画黎明期における西洋画技法の受容と真摯な制作姿勢を物語る貴重な資料である。没後130年にあたる本展では、初期の素描と油彩を中心に、短い生涯で到達した画業の核心に迫る。

本展は、岐阜県が生んだ二人の洋画家を通して、日本洋画史の中で地域が果たした役割を再考する試みでもある。世代も作風も異なる二人に共通するのは、絵画を通して「日本的精神」を見出そうとした探求心であり、郷土美術の豊かな系譜を示す展覧会となっている。

作家略歴:
坪内節太郎(1905–1979)―岐阜県各務原市生まれ。春陽会で中川一政、河野通勢に学ぶ。戦後は行動美術会で発表を続け、水墨の情趣を取り入れた詩的な画風を確立。自然への深い観察と独自の筆致による静謐な世界観で知られる。
牧野伊三郎(1870–1895)―岐阜県中津川市生まれ。画塾不同舎で小山正太郎に師事し、明治美術会通常会員となる。短命ながら、初期洋画の正統的写実精神を体現し、後進に影響を与えた。

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