「抽象美と柳宗悦」日本民藝館

名称:「抽象美と柳宗悦」日本民藝館
会期:2026年1月6日(火)~2026年3月10日(火)
会場:日本民藝館
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館)
入場料:一般1500円、大学生・高校生800円、中学生以下無料
住所:〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-33
TEL:03-3467-4527
URL:日本民藝館

概要:
本展「抽象美と柳宗悦」では、柳宗悦が晩年に見出した「抽象の美」の思想に焦点を当て、その審美観の核心に迫る。1950年代、日本の美術界では抽象美術が一大潮流として台頭し、国立近代美術館の「抽象と幻想」展(1953年)をはじめ、近代的造形の探求が盛んに行われていた。柳はその動向を鋭く見つめ、雑誌『心』(1957年)に寄せた「抽象美について」において、「古くして新しい抽象美」という言葉で、抽象の本質を「人間の感情や思想の表象ではなく、物そのものに宿る美」として論じた。

その思想は翌年、『民藝』第63号(1958年3月)の特集「抽象紋」へと結実し、柳が蒐集した工芸品に見出された形と文様が、独自の「無意識的抽象美」の実例として取り上げられた。本展では、その誌面を再構成するかのように、特集に掲載された陶器・織物・木工・漆器などの工芸作品を中心に展示。幾何的な線や反復する文様、自然の摂理に基づいたリズムをもつ造形に、柳が見いだした“抽象美の根源”を探る。

柳にとって抽象とは、単に近代美術の一潮流ではなく、「物の生命(いのち)が自らを表現する姿」であった。手仕事に宿る無作為の秩序、自然との調和から生まれる形の純粋性──それは、西洋的な理性の抽象とは異なる、東洋的な直観の美学である。民藝運動の理念と近代美術の交差点に立ち、柳が追い求めた「抽象の民藝」を現代に照射する試みとなる。











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