「並木恒延漆芸展―日本の四季を愛でる―」和光ホール

紅葉の馬場「二尊院」(31.8×41㎝/6F) 百人一首にも詠われた小倉山の麓に広がる、京都の名刹・二尊院。「幅広い階段に蔽いかぶさるように紅葉する木々と白壁との色彩の対比に美しさを感じました」。鮮やかな紅葉を貝の裏側に金箔や色箔を貼る伏彩色で、白壁を卵殻の技法で表現しています。

名称:「並木恒延漆芸展―日本の四季を愛でる―」和光ホール
会期:2021年11月18日(木) ~ 2021年11月23日(火)
会場:本館6階 和光ホール
開館時間:10:30~19:00(最終日は17:00まで)
住所:〒104-8105 中央区銀座4丁目5-11
TEL:(03)3562-2111(代表)
URL:和光ホール

「並木恒延漆芸展―日本の四季を愛でる―」和光ホール

漆芸の伝統的な技法にこだわりながら、独自の絵画的な表現で漆絵の世界を切り拓いてきた並木恒延さん。和光では4年ぶり8回目となる個展を開催します。
 今回は、並木さんの制作の原点ともいうべき「日本の四季の美しさ」を描くことをテーマに選びました。
「近年、遠くまで取材に出掛ける機会には恵まれませんでしたが、実は身近な場所にも、季節ごとに心惹かれるモチーフがたくさん存在していることを実感しました。また、こういう時代だからこそ、あらためて日本の風景の美しさを作品に表現したいと思いました。漆とは、限りなく地味であり、それでいて華麗な素材です。漆パネルの中から、描かれていない色彩や音、匂いといった、その場の空気感まで感じとっていただけたら嬉しいです」と思いを語る並木さん。
 その言葉通りに、漆黒の空間に蒔かれた金粉からは、荘厳な富士や幽玄な月の姿が浮かび上がります。鶉(うずら)の卵を漂白し、細かく割って漆面に貼っていく卵殻の技法からは、深々と降り積もる雪景色や潮の音が聴こえるかのような波の姿が、そして白蝶貝の裏面に色箔を貼る伏彩色により、陽光に映える水面の煌めきや目にも鮮やかな紅葉が表出されます。
 四季折々、抒情性豊かな日本の風景を見事にとらえた100号の大作からミニアチュールまで、幅広い作品30余点の展観です。並木さんの憧れを表現した、多くの方々の心に響く心象の風景に誘われて心豊かな時をお過ごしください。

「並木恒延漆芸展―日本の四季を愛でる―」和光ホール
「並木恒延漆芸展―日本の四季を愛でる―」和光ホール

並木恒延(なみき・つねのぶ)
1949年東京都に生まれる。
73年東京藝術大学ヴィジュアルデザイン科卒業。
77年東京藝術大学大学院漆芸講座修了。修了制作が東京藝術大学買い上げとなる。
81年日本現代工芸美術展 大賞受賞(1979・84・85年 NHK会長賞など受賞)
87・91年日展特選受賞。
2001年年和光にて個展(03・05・08・10・13・17年)
03年日本現代工芸美術展 内閣総理大臣賞受賞。
06年日展 文部科学大臣賞受賞。
08年文化庁特別派遣在外研修員としてイタリア留学。
14年奈良・薬師寺 東院堂にて個展。
16年・15年日展作品「月出づる」首相官邸貸出し。
17年MOA美術館 第20回・岡田茂吉賞展 招待出品。奈良・薬師寺「平成の至寶・83選」出品。
19年日本藝術院賞受賞。
現在日展会員、現代工芸美術家協会理事。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. 第3回『山形県埋蔵文化財センター設立30周年企画展』山形県埋蔵文化財センター
  3. 2024伊丹国際クラフト展「酒器・酒盃台」市立伊丹ミュージアム
ページ上部へ戻る