「REFLECTION-光の記憶-」石川県立美術館

《光の記憶》 2021年

名称:「REFLECTION-光の記憶-」石川県立美術館
会期:2021年10月23日(土) ― 2021年12月5日(日)
開館時間:9:30 ― 18:00(入場は17:30まで)
休館日:無休
会場:第4展示室
観覧料:一般 大学生 高校生以下 65歳以上
  個人 370円 290円 無料 290円
  団体 290円 230円 無料 290円
  ※団体は20名以上。65歳以上の方は団体料金でご覧になれます。
住所:〒920-0963石川県金沢市出羽町2-1
TEL:076-231-7580
URL:石川県立美術館

《静かな時》 2018年 しずかなとき
《静かな時》 2018年 しずかなとき

 日常に何気なく存在する「無機質で幾何学的な空間」。気にもとめられず忘れ去られるそのような光景を瞬時に切り取る眼が、松崎十朗という日本画家を1980~90年代画壇の前衛へと押し出しました。
 1960年、金沢に生まれた松崎十朗は、金沢美術工芸大学、同大学院で日本画を学びます。在学中より、現代美術展「最高賞」、京展「市長賞」等を受賞、また大学院修了の年には、日春展で「奨励賞」を受賞するなど、早くから衆目を集める存在となります。今年の「第8回日展」では、内閣総理大臣賞を受賞しました。
 初期から日展を主たる活躍の場としながら、その他の美術展、個展、グループ展などで発表。2016年からは、活動の拠点を東京から金沢に移し、母校 金沢美術工芸大学で後進の指導にも当たっています。
 松崎の制作に通底するのは、「一切は不変のものでなく、常に変化し続ける」との無常観です。人工的で無気質な光景でさえ、色や光の変化に伴い刻一刻とその姿を変えていく。不変ではない光景だからこそ、美を感じる。そのような無常観は、日本や東洋の伝統的画題や精神性に通じ、まさに現代の日本画です。近年は瞬間の光景を切り取りながらも、そこに永遠性を見出すかのような作画を展開しています。特に砂浜に消えゆく波跡と寄せては返す波の姿は、刹那と永遠の象徴でもあるようです。そして、描かれるかすかな光は、画家の内省と記憶の投影ともいえるでしょう。 
 約40年にわたる画業の内、今世紀に入ってからの日展出品・受賞作に新作を交えた15点で、日本画家 松崎十朗の静かなる内面世界を堪能していただきます。

《校庭》 2001年 こうてい
《校庭》 2001年 こうてい

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