「前田正博色絵磁器展―作陶50年 明るく楽しく美しく―」和光ホール

「赤、緑、黒という、一般的にはあまり合わせない色を用いることで、面白いハーモニーになりました。内側と外側、それぞれ異なる表情が現れます」と前田さんはおっしゃいます。 前田正博作 「色絵銀彩鉢」(径32×高さ14㎝) 「色絵皿揃」(径15×高さ2㎝、5枚組)

名称:「前田正博色絵磁器展―作陶50年 明るく楽しく美しく―」和光ホール
会期:2022年2月23日(水) ~ 2022年3月6日(日)
時間:10:30~19:00(最終日は17:00まで)
住所:〒104-8105 中央区銀座4丁目5-11
TEL:(03)3562-2111(代表)
URL:和光ホール

マスキングテープによって生まれた格子が独特な表情を醸し出します。「夜な夜な、コツコツとテープを貼っています」と前田さん。
マスキングテープによって生まれた格子が独特な表情を醸し出します。「夜な夜な、コツコツとテープを貼っています」と前田さん。

「工芸の基本は明るく、楽しく、美しく」と語る陶芸家の前田正博さん。東京・六本木に工房を構え、独自に編み出したマスキングテープを自在に操る技法で日々、作陶に打ち込んでいらっしゃいます。
轆轤(ろくろ)で成形した磁土をカンナで削り出し、高温で焼成後に洋絵具で色をつけ、再び焼成。極細のテープでマスキングし、刷毛で銀粉などを打ち、テープを剥がしてさらに焼く。この途方もない手間を積み重ねて前田さんの作品は完成するものです。
作品の素材は磁土ですが、明るい色彩と相まってやきものとは思えない軽やかな印象です。また、光の当たり方や見る角度によって、さまざまな表情を見せてくれます。
作陶50年となる前田さん。「どんな作品でも使っていて気分が滅入るようでは困ります。とにかく楽しんでいただける作品を作りたい。ただ、使っていただきたいので、実用性のない突拍子もないものは作れません。その塩梅を考えるのも醍醐味です」とおっしゃいます。
今展では、重箱や、茶盌、水指といった茶道具のほか、鉢や皿など、大作から小振りな作品まで約80点の展覧となります。
春はもうすぐそこ。和光ホールで、前田さんの陽光のような器と、どうぞ戯れてください。

前田正博(まえだ・まさひろ)
1948年 京都府久美浜町生まれ
1975年 東京藝術大学大学院美術研究科陶芸専攻修了
2005年 第1回菊池ビエンナーレ展優秀賞 受賞
2006年 和光にて個展(10年・15年)
2007年 前田正博色絵磁器展(アサヒビール大山崎山荘美術館)
2009年 赤・黒・金・銀・緑・青 前田正博の色絵展(菊池寛実記念 智美術館)
第56回日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞 受賞
2010年 第17回岡田茂吉賞展 MOA美術館賞 受賞
2011年 日本陶磁協会賞 受賞
2013年 「カラフル×モノクロ 前田正博×日本画」展(佐野市立吉澤記念美術館)
2015年 第6回創造する伝統賞 受賞(日本文化藝術財団)
2017年 第37回伝統文化ポーラ賞優秀賞 受賞(ポーラ伝統文化振興財団)
2019年 第68回神奈川文化賞 受賞(神奈川県・神奈川新聞社)
2020年 第69回横浜文化賞 受賞(横浜市)
現在 茨城県立笠間陶芸大学校顧問、日本工芸会正会員

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る