「女神の誘惑展」西武池袋本店

フレッチャー・シブソープ「AureoleII オリオールII」

名称:「女神の誘惑展」西武池袋本店
会期:2022年8月3日(水)~9日(火)
会場:6階(中央B8)=西武アート・フォーラム
   ※最終日8月9日(火)は、当会場のみ午後4時にて閉場いたします。
住所:〒171-0022 東京都豊島区南池袋1丁目28−1
TEL:03-3981-0111(代表)
URL:西武池袋本店

英国・オーストリアの画家が描く女性像
~フレッチャー・シブソープ、マーク・デンステッダー、ペトラ・カインデル~
いつの時代も芸術家たちを魅了し創作へと掻き立てる女神たち。時代の移り変わりとともに近年の女性像には、美しさだけでなく、現代を生きる誰もが共感できるような人間の内面を感じさせる作品が描かれるようになりました。今展では、女性像を描く3名のヨーロッパ現代画家をご紹介いたします。
ペトラ・カインデルは芸術に溢れたウィーン出身で、音楽からインスピレーションを受け、現代を生きる人間の内面を表現しています。
英国の画家マーク・デンステッダーは、女優エマ・ワトソンを描いたことでも知られています。ストーリーを感じさせるアンニュイな雰囲気を持つ女性たちを、伝統的な写実技法と大胆な省略で特徴的に描きます。
同じく英国の画家フレッチャー・シブソープは、米国ARCのヌード部門で最優秀賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しています。
コンテンポラリーな構図の中に伝統的な絵画の手法を取り入れた彼の作品には、静謐さと神秘性漂う女性の姿が描き出されます。
作家の感性の違いによって、それぞれ異なる魅力が放たれる女性像。それぞれの作家たちが魅せる女神の姿をどうぞお楽しみください。

フレッチャー・シブソープ「AureoleII オリオールII」
フレッチャー・シブソープ「AureoleII オリオールII」

油彩
サイズ:45×41cm
女性の美しさには、その表情と共にエロスの全てがあります。私は自分の技術を駆使し、光とポーズを吟味してこの特別な雰囲気を表現するために努力しています。
最近はこの主題に物語を感じさせ、見る側に作品の世界にトリップしてもらえるように描くことに取り組んでいます。金や銀の箔を背景に取り入れているのは、時間の経過とともに変化する光の加減によって生じるメタルの表面の微妙な色味の違いを楽しんでもらうためです。古典的な技術とは、画家にとっての基本であると思っています。この時代の風潮として、技術よりも表現を重視する傾向がありますが、そのような傾向は芸術としての絵画を否定していくことで私は組みしません。
フレッチャー・シブソープ
[フレッチャー・シブソープ profile]
1967年、イギリス生まれ。
アート教育先進校として有名なキングストン大学を優秀な成績で卒業した後、英国ロイヤルオペラ・カンパニー、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーの劇場ポスターなどの舞台美術広告を手掛けるとともに、ゼロックスやIBM、SONY、ブリティッシュエアウェイズなどの大手企業、オリンピック広告用ビジュアル制作など幅広い活動を展開している。
2000年には33歳の若さでアイルランドのセント・パトリック美術館に作品が収蔵。2014年、2015年、アメリカの美術団体Art Renewal Center(*ARC)にて最優秀ヌード賞と肖像画賞を受賞。静けさの漂う空気の中に描き出される女性美と精神性は、人間を見つめる眼差しの深さを感じさせる作品として発表され、絶大な人気を得ている。
*ARC・・・ルネサンス絵画にある伝統的な写実技法を広め、教育し、それらを通して古典作品の素晴らしさを人々に伝える目的で設立された。今後の活躍に期待し、その分野で活躍する画家から応募を募り優秀な作品を表彰する。毎年世界中から1000人を超える画家、2000点もの作品の応募がある。

マーク・デンステッダー「Study in Blue IV スタディ イン ブルーIV」
マーク・デンステッダー「Study in Blue IV スタディ イン ブルーIV」

油彩
サイズ:59×51cm
私の画家としての興味は女性のフォルム。特に古典的上品さを持った女性に想像力をかきたてられます。キャンバスに向かうと、まず、衣裳の中にある美しい身体のラインを見いだすことにつとめます。
そして、できるだけそのラインの表現は自分で感じたように抽象的な形で表現します。
アートの歴史の中で密接な関係のあったファッションとアートを一つの作品の中で何とか両立させることができないかを考えています。ファッションデザイナーは女性を美しく表現するため身体のラインを常に意識していると思いますが、画家の私も同じことを考えています。
マーク・デンステッダー
[マーク・デンステッダー profile]
1963年マンチェスター生まれ。
ロッチデール大学とオールダム大学を卒業後、ロンドンのスレイド美術学校に通う。過去に描いた作品で彼のドローウィングは、数々の賞を受賞してきた。
現在、英国でもっとも有名な人物画を描くアーティストの一人である。木炭とガッシュで女性のラインは、はっきりと描かれ、ルネサンスを彷彿とさせる伝統的なタッチで、俳優ニコラス・ケイジ、エマ・ワトソンをはじめ多くのコレクターに愛されている。作品のモデルには、海外の有名ファッション誌などで活躍中のエリン・オコーナーを起用するなど、ファッション界とも深い関係を持つ。
キャンバスに一見孤独に描かれているように見える女性は、呼吸をして生きているようで、独特な表情とポーズは観るものに何かストーリーを訴えかける力を秘めている。2011年にはエマ・ワトソンを描いた作品で展覧会を開催し大きな話題となった。

ペトラ・カインデル「What was wood became alive ワット ワズ ウッド ビカム アライブ」
ペトラ・カインデル「What was wood became alive ワット ワズ ウッド ビカム アライブ」

アクリル
サイズ:80×80cm
ちょっと不思議に感じるかもしれませんが、私は子どものころから好きな音楽を聴くと自然にストーリーが浮かんできて絵にしてきました。私の作品作りには音楽が欠かせません。音楽を聴き、インスピレーションを受け、想像力を働かせキャンバスに向かっています。
そして、作品が完成するとキャンバスの裏側に曲名を記しています。私の作品はまさにコンテンポラリーそのものです。この瞬間を、この時代を、絵画として切り取って伝えています。
私の作品には現代の現象を表現しているものもあり、また、現代に生きる人間の感情を伝えている作品もあります。
ペトラ・カインデル
[ペトラ・カインデル profile]
1971年オーストリア・ウィーン生まれ。
子どもの時から絵を描くことが好きで、独学でデッサン力を磨いていた。成長するにつれ、クリムトやエゴン・シーレなどの絵画に触れるようになり、油彩画を描きはじめる。
また、音楽からインスピレーションを受けキャンバスに向かっている。
現在は1年の数カ月を南イタリアで過ごし、その土地の人々や文化、流行に触れ、“現代を生きるヨーロッパの女性たち”をモデルに人物の内面と人生を想像させる作品を描いている。
作品はミラノ、ニューヨーク、ウィーンの一流ギャラリーで紹介されている。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ピックアップ記事

  1. 「第十四回 I氏賞受賞作家展」岡山県立美術館
  2. わが街ながのゆかりの作家展 中村明個展「混ポジション」長野市芸術館
  3. 「東京造形大学 写真研究所 ―ミクロな視点とマクロな視点―」BankART KAIKO
ページ上部へ戻る