近現代工芸「みんなで楽しむ はじめての工芸Ⅱ」石川県立美術館

寺井直次《蒔絵筥 極光》

名称:特別陳列「みんなで楽しむ はじめての工芸Ⅱ」石川県立美術館
会期:2022年9月10日(土) ― 2022年10月23日(日)
開館時間:9:30 ― 18:00(入場は17:30まで)
会期中無休
会場:第5展示室
観覧料:観覧料 一般 大学生 高校生以下 65歳以上
  個人 370円 290円 無料 290円
  団体 290円 230円 無料 290円
住所:〒920-0963石川県金沢市出羽町2-1
TEL:076-231-7580
URL:石川県立美術館

寺井直次《蒔絵筥 極光》
寺井直次《蒔絵筥 極光》

 今回の展示には、作品と一緒に工程見本が展示してあります。楽しみかたはそれぞれにあるのですが、今年はどのような材料を使って、どのような工程で作品となるのか?を興味を持って簡単に知るところからスタートする展示にしました。導線のはじめに当たる壁面ケースの方は、夏休みに訪れる機会も多いお子様目線にあわせ低くなっています。材質から受けるなめらかな肌合いであったり、どのように形や木目を引き出すかであったり、材や技の美しさを感じるための一歩となるのではないでしょうか。
 制作工程を簡単に知った後、何が描かれているのかとともに、何がどのように使われているのか、そこからどう感じるのかという楽しみが生まれてきます。例えば、寺井直次《蒔絵筥 極光》は漆黒の天面に9羽の鳥が配されています。鳥の周りには青貝や平目金粉が蒔かれ、タイトルにある極光はオーロラの意味があるので、漆黒の天面は夜、蒔かれたもようはオーロラを表現しているのかな?と想像させられます。鳥は細かい卵殻で羽先まで表現され、金属粉で仕上げられた鳥との奥行き・距離感が印象に残ります。鳥の体のポイントには金蒔絵で強く描かれる部分も見られ、表現の強弱の美しさが心に残り、箱としては大きめの上面にさまざまな材で施された群れをなして飛ぶ鳥の姿が「美しいなあ」「凄いなあ」「綺麗だなあ」という工芸品の鑑賞を楽しむスタートとなることでしょう。
 是非ゆっくり展示を楽しんでいただきたく思います。

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