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座式銅竜 2007.03.22更新

座式銅竜

写真・王露    

【和:ざしきどうりゅう
【中:Zuo shi tong long
宋・遼・金・元>座式銅竜

  座式銅竜は金代(1115~1234年)の銅製品で、高さは19.6センチである。
 黒竜江省博物館に所蔵されている「座式銅竜」は、腰を下ろし、前足の爪で吉祥の雲をつかみ、威厳に満ちて奇怪な姿をしている。この銅製の竜は、金代に、輿の飾り物として作られた。1965年、黒竜江省阿城市の上京会寧府遺跡から出土した。
 竜は、中国古代の伝説上の不思議な動物である。それは人間が創造し、崇拝する神でもあり、吉祥慶喜の化身でもある。あらゆる動物神の中で、竜はもっとも人々に愛され、多くの動物の長所をその身に集め、理想的な動物神として造られている。竜が中国人と中国社会に与えた影響は、非常に深く、また広い。唐・宋代以降の封建帝王は、みな自ら「真竜天子」を任じ、竜は最高の封建的権威の象徴となった。歴代の工芸品の中に、竜の造型、竜の図案が随所に見られる。
 この銅製の竜は、首をもたげ、口を開け、胴体を弓のようにそらし、尾を持ちあげて巻いている。そして右の前足は地を踏み、左の前足は爪で吉祥雲をつかみ、後ろ足を折って地面に座っている。竜の鬚は後方になびき、肩のあたりから巻き起こっている蔓状の煙雲と接し、あたかも雲に乗って飛んでいるように見える。
 飛ぶこと、それは、中国竜の最大の特徴で、他の国の竜と違う所だ。竜は空を飛び、四海に遊び、雲を起こし、雨を降らし、邪を退け、福を降す。これは中国の竜が持っている神通力である。
 この竜の姿形は、中原文化が中国・東北地方に強い影響を与えたことを明らかに示している。と同時に、この竜は、明らかな地方的、民族的特色をも失ってはいない。出所:「人民中国」 魯忠民

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